mihoroの読書記録　特別編『パズルゲーム☆はいすくーる』

本格ミステリ漫画『パズルゲーム☆はいすくーる』　感想のページです。

　『パズルゲーム☆はいすくーる』野間美由紀（白泉社文庫）

著者のHP「MIYUKI's ROSE Garden」

1983年に始まったミステリ漫画（現在も継続中）。
「花とゆめ」掲載時からリアルタイムで愛読（年がバレる‥）。
私がミステリーではない「ミステリ」という呼称を知ったのは、この漫画が最初だった。

　花とゆめコミックス　　全34巻
　白泉社文庫　　　　　　全18巻

　『新・パズルゲーム☆はいすくーる』（ボニータコミックスα）
　　　　舞台を現代にそっくり移しての高校生編。全6巻
　『パズルゲーム☆はいすくーる X(キッス)』（ボニータコミックスα）
　　　 『新』の続編。2巻まで刊行、「ミステリーボニータ」にて連載中。（2009年11月現在）
　『パズルゲーム☆トレジャー』（白泉社レディースコミックス）
　　　　高校卒業後の香月＆大地の物語。2巻まで刊行、「Silky」にて連載中。（2009年11月現在）

■『パズルゲーム☆はいすくーる（1）』（注文）

NOTE1　ミステリ研最初の事件
NOTE2　レディス・ソシアリティ事件
NOTE3　アイドル誘拐事件
NOTE4　消えた肖像画
NOTE5　クリスマス・ベイビー事件
NOTE6　西日の中のアリバイ
NOTE7　100万円をとり返せ！
対談・西村知美

　絵は今と違ってだいぶ幼いし、コマ割りも多いけど、ストーリーは何度読み返してもやっぱ面白いー。ミステリとしてもすごく良くできている。「消えた〜」のきれいな暗号、「西日の〜」の謎解きページの見開きインパクトが特に好き。あと「100万〜」の二階堂さんの変身ぶりや、卓馬クンへの「あんたもかわいいよ」という著者の言葉に（笑）。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（2）』（注文）

NOTE8　白い花は知っていた
NOTE9　紅いプールの秘密
NOTE10　黄金の校章事件
EXERCISE-1（パズルゲーム☆Jr.はいすくーる）宝石強盗
NOTE11　光線のメロディ（The SEXY RICE）
NOTE13　トリック狂想曲
解説・津原泰水

　こんな初期の頃からサイドストーリー（香月たちの中学生時代の話）がスタートしてたんだなあ。「紅い〜」と「光線の〜」が特に印象に残っている。視覚に訴える類いのトリックが好きなのかな、私。The SEXY RICEのモデルは、メジャーになる前の米米クラブ。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（3）』（注文）

NOTE12　POISON 1
NOTE12　POISON 2
NOTE12　POISON 3
NOTE14　優しい犯罪
NOTE15　バラの煙
EXERCISE-2（パズルゲーム☆Jr.はいすくーる）幽霊屋敷
対談・二階堂黎人

　毛色の変わった「POISON」三部作。1、2、3と物語のカラーの違うところが、新鮮。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（4）』（注文）

SPECIAL-1　ミステリー・ツアー
EXERCISE-3（パズルゲーム☆Jr.はいすくーる）営利誘拐
SPECIAL-2　GROWING UP
SPECIAL-3　GROWING UP 同棲突入編
解説・光原百合

　九州から北海道、パズルゲームらしい壮大な修学旅行（笑）。GROWING UPは香月たちが高1の話。一年違うだけでずいぶん初々しいなあ。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（5）』（注文）

NOTE17　トラブル・メーカー
NOTE16　二階堂麗華の華麗な推理
PROBLEM-1（パズルゲーム☆プロフェッショナル）3人の妻
SUBJECT-1　なるほどコンビニエンス
SUBJECT-2　桜の少女
SUBJECT-3　魔法の水
解説・早見裕司

　初めて、大人になった香月たちが登場（〜プロフェッショナル）。「桜〜」「魔法の〜」は謎解きだけでない、心にしっとり残る読後感。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（6）』（注文）

SUBJECT-4　パンドラの椢
PROBLEM-2（パズルゲーム☆プロフェッショナル）几帳面な死体
SUBJECT-5　春風とともに
SUBJECT-6　戦うオリオンたちへ
EXERCISE-4（パズルゲーム☆Jr.はいすくーる）逃走経路
PROBLEM-3（パズルゲーム☆プロフェッショナル）星の家
解説・高野裕美子

　現在、過去、未来、バラエティーに富んだ内容。卓馬クンと美女さんの恋の行方も要チェック。オリオンの見開きページは一生忘れないだろう。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（7）』（注文）

SUBJECT-7　郵便配達は平日にベルを鳴らす
PROBLEM-4（パズルゲーム☆プロフェッショナル）花嫁衣装は夜踊る
SUBJECT-8　ふたつぶの愛
PROBLEM-5（パズルゲーム☆プロフェッショナル）南の海のマキ
PROBLEM-6（パズルゲーム☆プロフェッショナル）Ｙと呼ばれた男
解説・黒田研二

「でも日曜日は来ないんだわ」が一番印象に残ってる。トリックだけでなく、解決までの見せ方も上手いんだよね。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（8）』（注文）

PROBLEM-7（パズルゲーム☆プロフェッショナル）聖パロット修道院
PROBLEM-8（パズルゲーム☆プロフェッショナル）消えた子供
CONCLUSION-1（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）ＨＩＮＡＫＯ
PRACTICE-1（パズルゲーム☆プレステージ）湾岸ホテル
PRACTICE-2（パズルゲーム☆プレステージ）禁じられた館
CONCLUSION-2（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）アリバイを持つ手
解説・矢崎存美

　ミステリとしては「消えた〜」が印象深いけど、一番鮮烈なのは日向子の登場。名前に反して、香月が「太陽」、日向子は「月」のイメージだよね。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（9）』（注文）

PART.1（パズルゲーム・マタニティ）三か月
PART.2（パズルゲーム・マタニティ）六か月
PART.3（パズルゲーム・マタニティ）臨月
PRACTICE-3（パズルゲーム☆プレステージ）1LDK駅徒歩5分死体つき
PRACTICE-4（パズルゲーム☆プレステージ）証明写真は語る
解説・松尾由美

　妊娠・出産を経験した著者ならではのマタニティシリーズ。男性もぜひ読んでね（^^）。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（10）』（注文）

PROBLEM-9（パズルゲーム☆プロフェッショナル）香草の庭へようこそ
PROBLEM-10（パズルゲーム☆プロフェッショナル）旋律の銃弾
PROBLEM-11（パズルゲーム☆プロフェッショナル）ゼウスの息子たち
PRACTICE-5（パズルゲーム☆プレステージ）約束の輪
CONCLUSION-3（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）アリバイの足音
解説・岩井志麻子

「旋律の〜」謎解き後に香月があることを知って「もうーーっ」と叫ぶところが好き（笑）。「香草〜」初出は綾辻さんたちの安楽椅子探偵より六年も前だもんなあ。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（11）』（注文）

PROBLEM-12（パズルゲーム☆プロフェッショナル）ときバスツアー東京名所めぐり
PROBLEM-13（パズルゲーム☆プロフェッショナル）（前編）ときバスツアー東京名所めぐり
PROBLEM-13（パズルゲーム☆プロフェッショナル）（後編）ときバスツアー東京湾岸ひとめぐり
EXERCISE-5（パズルゲーム☆Jr.はいすくーる）左右反転
CONCLUSION-4（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）あなたを見つめてる
解説・篠田真由美

　今回は何といっても「ときバスツアー」が痛快。オールキャスト勢揃いだし、コン・ゲームものの白眉。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（12）』（注文）

PROBLEM-14（パズルゲーム☆プロフェッショナル）来なかった探偵
SUBJECT-9WARP（パズルゲーム☆はいすくーる）しあわせの女神さま（前編）
PROBLEM-15（パズルゲーム☆プロフェッショナル）しあわせの女神さま（後編）
CONCLUSION-5（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）ミステリー トレイン
CONCLUSION-6（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）リボンの気持ち
解説・北森鴻

　六年越しで解決する「しあわせ〜」が印象深い。葉蔓高校の教師が描かれるのも珍しいよね。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（13）』（注文）

（パズルゲーム☆ホンコン・コネクション）探偵遊戯
PROBLEM-16（パズルゲーム☆プロフェッショナル）マダム・ジュエリーの憂鬱
CONCLUSION-7（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）愛犬家
解説・ひかわ玲子

　香港を舞台に描かれる物語は、スケール大。ところで香月たちは中国語を話しているのかな？

■『パズルゲーム☆はいすくーる（14）』（注文）

PROBLEM-17（パズルゲーム☆プロフェッショナル）パニック・イン・ホスピタル（前編）
PROBLEM-17（パズルゲーム☆プロフェッショナル）パニック・イン・ホスピタル（後編）
PROBLEM-18（パズルゲーム☆プロフェッショナル）ロニーズへようこそ
PROBLEM-19（パズルゲーム☆プロフェッショナル）Because of loving you
EXERCISE-6（パズルゲーム☆Jr.はいすくーる）通話度数
解説・三橋曉

　例えば犯人の予想はついても、さらにその先、動機にうならされたり、心理の綾に感心させられたり。人間を描くってこういうことだよね、脱帽。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（15）』（注文）

PROBLEM-20（パズルゲーム☆プロフェッショナル）セーラー探偵によろしく
PROBLEM-21（パズルゲーム☆プロフェッショナル）おいしい殺人
PROBLEM-22（パズルゲーム☆プロフェッショナル）嘘つきが多すぎる
EXERCISE-7（パズルゲーム☆Jr.はいすくーる）初恋ビーズ
CONCLUSION-8（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）香港土産
CONCLUSION-9（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）一日警察署長
解説・中野渡淳一

　ネタは早い時点で予想がつくものもあったが、ストーリー運び、特に締めくくり方が上手いので、安心して読める。鉄板だね。「嘘つきが多すぎる」がとりわけ好き。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（16）』（注文）

PROBLEM-23（パズルゲーム☆プロフェッショナル）楽園にご用心
PROBLEM-24（パズルゲーム☆プロフェッショナル）菊花殺人引き先紅青光路
PROBLEM-25（パズルゲーム☆プロフェッショナル）頼もしい後輩
PROBLEM-26（パズルゲーム☆プロフェッショナル）些細な出来事
PROBLEM-27（パズルゲーム☆プロフェッショナル）永遠の歌が聞こえる
CONCLUSION-10（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）バレンタインの後悔
エッセイ・野間美由紀「愛が動機なの　─「愛のミステリ漫画家」誕生─」

　この表紙、みいなちゃんかと思ったら美女なのか。現在のミステリ研メンバーが出てくる「頼もしい後輩」、美女の活躍する「些細な出来事」が特に印象に残った。美女＆卓馬、この二人けっこう好きなんだよね（^^）。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（17）』（注文）

（パズルゲーム☆エンジェル）ヌーボーなお仕事
PROBLEM-28（パズルゲーム☆プロフェッショナル）フェリス・ホイール
PROBLEM-29（パズルゲーム☆プロフェッショナル）癒しのリフレクソロジー
PROBLEM-30（パズルゲーム☆プロフェッショナル）京都に消えた女
CONCLUSION-11（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）クリスマスパーティーの秘密
CONCLUSION-12（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）囚われのミュール
CONCLUSION-13（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）ホームポジション
エッセイ・野間美由紀「パズルゲーム☆はいすくーるができるまで・前編」

　安定した面白さ、でもミステリ的には先の展開の予想がつくレベル‥と思っていたら、「京都に消えた女」ですっかりヤラれた。

■『パズルゲーム☆はいすくーる（18）』（注文）

GROWING UP（パズルゲーム☆はいすくーる）Tea for two １
NOTE-18（パズルゲーム☆はいすくーる）Tea for two ２
SUBJECT-10（パズルゲーム☆はいすくーる）Tea for two ３
CONCLUSION-14（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）彼女が眠りに落ちたなら
CONCLUSION-15（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）幸せな女
CONCLUSION-16（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）RUSH
CONCLUSION-17（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション）間違いメールにご用心
エッセイ・野間美由紀「パズルゲーム☆はいすくーるができるまで・後編」

　ついに白泉社文庫最終巻。やっぱり葉蔓高校を舞台にした話が、この漫画の原点なんだなあ。

■『ベスト・オブ・パズルゲーム☆はいすくーる』（注文）

旋律の銃弾（パズルゲーム☆プロフェッショナル PROBLEM-10）
消えた肖像画（パズルゲーム☆はいすくーる NOTE-4）
紅いプールの秘密（パズルゲーム☆はいすくーる NOTE-9）
Growing Up 同棲突入編（パズルゲーム☆はいすくーる SPECIAL-3）
アリバイの足音（パズルゲーム☆NEXTゼネレーション CONCLUSION-3）
魔法の水（パズルゲーム☆はいすくーる SUBJECT-3）

　各章それぞれの終わりに解説あり。著者お気に入り（特にミステリ的に）の六作というだけあって、読みごたえあった。私的には、「西日の中のアリバイ」「戦うオリオンたちへ」も入れてほしかったなあ。