綾辻さんとあんまり関係ない話なんですが‥

* * * 谷山浩子 コンサート 2001 * * *

日 時:2001 年 11 月 24 日(土)17:30 開場 18:00 開演
場 所:すみだトリフォニーホール(錦糸町)         
出 演:谷山浩子(Vo)・倉田信雄(Pf)・岡崎倫典(Ag)    


まえがき

 谷山浩子さんのコンサートに行ってきました。そのレポです。

 浩子さんや、その曲を知らない方にとっては、分かりにくい部分があるでしょう。でも、全部の人が分かるように書くと、膨大になってしまうので‥ごめんなさい。

 浩子さんのHPに行くと、インターネットラジオというのがあって、そこで浩子さんのおしゃべりや曲がいろいろ聴けます。興味を持たれた方は、ぜひ一度、お試し下さいませ。

 では、五年ぶりに参加して大興奮だったコンサート、レポの始まり始まり〜。

コンサートが始まるまで

 本日の観客、年齢層は若干高め(中学生、高校生らしき人はあまり見なかったなあ)、男女の比率は半々くらいでしょうか。

コンサートで見かける人々

 浩子さんのコンサートで良く見かけるタイプというと‥女性は『YAKATA』のユリエさんのようないでたちの人(こういう髪型の人、ほんと多いんだよね、何故か)。服装はフレアースカートにカーディガンといった感じかな。
 私は以前、バイクのブーツ、片手にヘルメットという格好で、浩子さんのコンサートに行ったことがあります。めちゃくちゃ浮いてましたね(笑)。

 縫いぐるみ抱いてたり、バレッタが猫の顔だったり‥でも年令は、それなりに‥。

 昔はいわゆる「おたく」っぽい男の子が多かったですが(眼鏡にショルダーバッグが定番)、今回目立ったのが30〜40代の男性。スーツ姿でお腹はちょっと太め、髪の生え際もちょっと後退(でも眼鏡とショルダーバッグは変わらないのだ(笑))。おたくな男の子が成長した姿なんでしょう、きっと。
 いったん浩子ファンになると、その後もずーっとファンって人が多いみたい。

 ひとりすっごい印象的だった人がいました。
 黒いコートを着た長髪の男の人(20代後半くらいかな?)で、手のひら大の十字架(銀色の瀟洒な造りの)を左手にぐるぐる巻き付けてるの。
 彼はいったい、何者だったのでしょう??

◆◇◆

 17:30 開場。列はそのままグッズ売り場へ殺到します。浩子さんのCD 各種、そして今回は2002年カレンダーも販売。
 会場で買物をした人には、浩子さんのサインが貰えることが多いのですが、今回はそれはなく、その代わりにコンサートのポスターが貰えました。
 私はCD二枚とカレンダーを購入(浩子さんのCDって、栃木県内だとなかなか置いてなくて。コンサートの度に少しずつ買い揃えてます)。

 ホールはこんなところです。正面のパイプオルガンといい、クラシックコンサート専門のホールにふさわしい、素敵な空間でした。

 私の席は一階の後ろの方だったのですが、一階中央(通路のすぐ後ろ)に石井AQさんの姿を発見。客席でシンセ演奏するのかと最初思いましたが、もちろんそんなわけはなくて(笑)。
 今日は出演者ではなく、観客の一員だったのですね。

 18:00過ぎ、いよいよコンサートの始まりです(わくわく)。


コンサート

 最初は浩子さんとギターの岡崎倫典さん二人でのステージです。
(向かって左側にピアノ、右側がギター、真ん中に椅子に座って浩子さん、という配置)

 オープニングは「窓」(ギターのイントロ聴いて「草の仮面?」と思ったら、違った‥)。

「今日のコンサートは、画期的です!」と、浩子さん。
 何が画期的かというと、

1.浩子さんがピアノを弾かない。
 通常は、浩子さんはピアノの前に座って、弾き語りという形なのですが‥。
「せっかくの素晴らしいホールなので、私のへろへろピアノではなく、もっと上手い人に弾いてもらおうと思って。でもそうすると(手を顔の前にかざして)この位置に歌詞カードがないということで‥(場内笑)。家で一生懸命覚えてきたんですけど、もし間違ったら‥気がつかなかったことにして下さい」
 へろへろどころか、浩子さんのピアノはとてもタッチが正確で、上手いんですけどね、そんなふうに謙遜されてました(でも後で「いやそんなに下手って訳でもないんですけど」と自分で自分をフォローしてましたっけ(笑))。

(「画期的」の2番目と3番目は後ほど出てきます)

 次の二曲は、笛吹きの出てくる歌。「ピエレット」「笛吹き」
 「笛吹き」は、前半の演目の中で一番良かったと思いました。もともと、歌詞が小説の言葉みたいに重厚で大好きなのですが、倫典さんのギターと相まって、とっても迫力ありました。

 倫典さんはソロ活動もされていて、新しいCDが出たばかり。12月13日には吉祥寺でコンサートも予定されています。CDのタイトルは「Promemade」。
浩子「プロムナード‥散歩道?」
倫典「そう。遊歩道とか」
浩子「”味のプロムナード”とか、あるよね」(笑)

 次は「うそこどもシリーズ」(なんだそりゃ)。「おもちゃ」「メリーメリーゴーラウンド」
 「おもちゃ」すっごく可愛らしく歌ってましたね、浩子さん。でもこれ、ちょっとコワイ歌でもありますよね。女性にこういう態度に出られたら、男性は怖いだろうな。ぞくぞくしました。
 「メリー〜」の歌の時、バックに照明でくるくる回る模様が写し出され、とても綺麗でした。

 ここで倫典さんはいったん退場。代わりに倉田さん登場です。「まっくら森の歌」

 歌い終わって浩子さん、「「まっくら森の歌」ゴージャスヴァージョンでした」と紹介。ゴージャスヴァージョン‥アルバム「水玉時間」の中の編曲がそれですね。ちなみに「銀の記憶」の中の「夜のブランコ」もゴージャスヴァージョンだそうです。

 倉田さんは、自分から幼稚園のピアノ教室(先生が可愛い女の先生だったそうで(笑))に「通いたい」と云ったのが音楽との出会いだったとか。ちなみに浩子さんも、はっきり覚えていないけれど、五歳の時自分から「ピアノを習いたい」と云ったのだそうです。
 その後GS(グループサウンズ)の影響を受け、クラシックではなくポップスの方へ。さだまさしさんのバックも務めておられるそうです。

 「空からマリカが」「仇」
 「空からマリカが」幻想的で素敵でした。しかし、何といっても今日の白眉は「仇」ではないでしょうか。叩き付けるような倉田さんのピアノと、それに負けない浩子さんのヴォーカル。ピアノと歌のバトルを聴いているようでした。ものすごい迫力。演奏が終わった後、しばらく拍手が鳴り止みませんでした。

 浩子さんは、感情が大きく動いた時(怒った時とか、すごく嬉しい時とか)歩き出すと止まらなくなる性質があるそうです。で、次は「歩き出すと止まらなくなるシリーズ」。
「わたしじゃない月のわたし」「遺跡散歩」
 「昔作った歌(遺跡散歩)の方が、素直ですね」と浩子さんはおっしゃっていましたが、私は、最近の作品「わたしじゃない〜」の方がよりストレートだと思いました。

 ここで、岡崎倫典さん再び登場。
「風になれ〜みどりのために」「SORAMIMI〜空が耳をすましている」
 「SORAMIMI〜」大好きな曲です。切ないですね、泣けました。

本日の出演者

 今日のコンサートは、こんな所も画期的です。

2.ステージ上で、浩子さんが最年少(笑)。
 ちなみに、倉田さんが二つ上、岡崎さんがさらにそのひとつ上。まあ、三人とも同世代なのですが‥。
「この前、イルカさんのコンサートにゲスト出演した時も、私が最年少で嬉しかったです」

3.ホールでのコンサートなのに石井AQさんが出演しない。
 AQさんはコンサートプロデューサーでもあります。いつもは、コンサートの中盤から(あるいは最初から)AQさんがシンセで参加するのですが、今回はなし。
「(ステージ後ろの高い所を指差して)今日はこの辺にAQさんの魂があると思って」(笑)
 AQさん抜きのコンサートは、私も初体験です(ちなみに今日で9回目かな。長年ファンやってるもんで)。

 次の歌へ行く前に、15年ほど前、浩子さんがシンガポールを旅行した時のお話。
 タクシーのラジオから「あ、これ好きだなあ」と思える曲(歌詞は中国語)が流れてきて、お店にCDを買いに行った浩子さん。歌の題名も歌手名(男の人だった)も分からないので、実際に店員さんの前で歌ったのだそうです(笑)。が、結局分からず終い。
 残念だなあ、ならば自分で‥と、雰囲気の似た曲を作ってしまいました。歌詞は「きっとこういう歌に違いない!」と勝手に思い込んで作ったとか(笑)。
 それがこの歌です、「天の貝殻」。「この曲はひさしぶりに歌います。E♭mなので、自分では弾きたくない(♭がいっぱい付いてるから)」んですって(笑)。

「冷たい水の中をきみと歩いていく」「約束の海」
 「冷たい〜」ギターのイントロがとても新鮮で良かったです(オリジナルはピアノのイントロ)。「約束の海」はコンサート終盤の定番曲ですね。大いに盛り上がります。

 今後の浩子さんの予定としては、12月から新しいアルバムの製作に入り、来年の春か夏には「幻想図書館 II」(お芝居仕立てのコンサート)をやるのだそうです(わあい!)。
 石井AQさんの提案で、その題名(作品名)は、コンサート終了後のアンケートに書くクイズになってました。正解した人は「HPの中で誉めてあげます」だって(それだけかい!)。ちなみに、海外の作品だそうです。前回はアンデルセンの「雪の女王」でしたが、さて、次回は何でしょう? お楽しみに。
 それから、今年10周年でファイナルを迎えた「101人コンサート」。それに代わる企画(気楽にできるもの(笑))を考案中だそうです。これまた楽しみですね。

 コンサート、最後の曲は「さよならのかわりに」
 安田祥子・由紀さおり姉妹に提供した曲で、浩子さん自身も歌っています。「僕」と「きみ」の設定を具体的に思い浮かべながら聴いたら、なんかすっごくハマってしまいました。

 アンコールは浩子さん衣装替え‥といっても、赤い布を一枚羽織っただけでしたが(笑)。
「DOOR」「ガラスの脳」という映画の主題歌でした。これまたいい曲です。わあ。

 手が痛くなるほど拍手。浩子さん、そして倉田さん岡崎さん、ありがとうございました。

一一 了

 ところで、コンサート終了後アンケート用紙に感想を記入するのが、浩子さんのコンサートの慣習です。この日も、皆さん黙々と書いてました。
 会場内は清掃が始まり、ロビーに追い出された後も、ある人は階段に座り込んで(私です)、ある人は壁に紙を押し当てながら、とにかく書く書く。
 私は、本日の感想の他に「歌詞集第二弾をぜひ企画して下さい(ちなみに第一弾は『ねこの森には帰れない』(新潮文庫・絶版かな?))」と「綾辻行人さんの「館シリーズ」イメージアルバムの企画、忘れないで下さいね。綾辻さん、今第七作目を一生懸命書いているので‥」と、しっかり書いてきました。


コンサートが終わって

 素晴らしいコンサートでした。いや、いつも素晴らしいのですが、今回はいつもと違った構成で、でもそれが新鮮で、とても感動しました。
 浩子さんのコンサートはピアノの弾き語りが基本パターンだったわけですが、ゲストが加わるとこんなにも違った演奏になるのかと、本当にびっくりしました。

 歌とピアノとギターの「共演」という感じ。楽器が単なる伴奏ではなく、それぞれに主張するべき部分があって、でも浩子さんのヴォーカルも負けないほど力強くて、ほどよい緊張感が保たれていた気がします。

 一転しておしゃべりタイムは和気あいあい、笑いが絶えませんでした。かつてオールナイトニッポンのDJ として鳴らした浩子さんですから(笑)。それに、倉田さん、岡崎さんともかれこれ20年近いおつき合いがあって、気心も充分に知れている同志。聴いててとても楽しかったです。

 既に来年の予定がいくつもある模様。楽しみですね、大いに期待しましょう。

◆◇◆

 目の前にそびえていた大きな壁が、ふうっと消えた気がします。「すごく好きなもの」って、自分を救ってくれますよね。
 いっぱいいっぱい、元気をもらって家路につきました。

 来年もまた、行けますように‥。

(2001/11/26)

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