* * * 谷山浩子 コンサート * * *

日 時:2004 年 12 月 25 日(土)17:30 開場 18:00 開演   
場 所:江東区文化センターホール(東陽町)           
出 演:谷山浩子・石井AQ(Syn) ゲスト:
栗コーダーカルテット


 2004年暮れは、私にしては珍しく念入りに大掃除をやりました。キレイすっきり新年を迎え、さあコンサートレポを書くぞと思ったら‥メモがないっ! コンサート中に演奏曲目やら浩子さんの言葉やらをメモした紙を、誤って捨ててしまいました(泣)。大ショック。今となっては、曲目なども一部を除いて忘却の彼方。慣れない大掃除なんてするもんじゃないですね(じゃなくて、普段からこまめに掃除すればいいんですよ自分)。
 というわけで前置きが長くなりましたが、曲目等はこちらのページにお世話になりました。ネットに感謝。とりあえず憶えているところだけでも書いてみます。記憶違いもあるかと思いますが、大目に見てね。がんばれ私(くすん)。

[演奏曲目]

イーハトーヴの魔法の歌

カイの迷宮
銀の記憶

May
6月の花嫁
冷たい水の中をきみと歩いていく

主エマニエルは生まれ給う(栗コーダー)
そっくりハウス
猫のみた夢

ペジエ〜子犬のテーマ(映画「クイール」より)(栗コーダー)

月が誘う
鳥は鳥に

ねこの森には帰れない
カントリーガール


王国
ドッペル玄関

DOOR

[アンコール]
さよならのかわりに
おやすみ

コンサートの前に

 入り口で係員が券と引き換えにチラシの束を渡してくれました。文化センターでの今後の催し物のチラシに混ざって、今日のコンサートのチラシもあります。わ、ニューアルバム「月光シアター」のお知らせや、幻想図書館Vol.3「アダゴオルは猫の森」、ソロライブツアーの日程表も!(1月から2月にかけて、三重・名古屋・静岡・大阪・鳥取・広島・沖縄・札幌でライブがあります。2月は富良野のチャペルコンサートも。興味を持たれた方は、ぜひぜひお出かけくださいね〜。詳しくはこの辺で)。
 販売コーナーでは、浩子さんや栗コーダーカルテットのグッズやCDが並んでいました。私は『カントリーガール』のCD(これ、箱付きなんですね。本みたいな体裁になっていて、なんか豪華(^^))と、2004猫森集会のコンサートパンフを購入。

 ホールは500席くらいでしょうか。ステージ中央左寄りにピアノが。浩子さんコンサートは3年ぶりなので、わくわくどきどきです。


さあ、いよいよコンサートです

 浩子さん登場。オープニングは浩子さんの弾き語りによる「イーハトーヴの魔法の歌」。青白い照明にうっすらスモークがかかって、幻想的です。いきなり大好きな曲で、メーター(何のメーター?)上がり放題の私。

◆◇◆

 ここのところ浩子さんはソロコンサートが続いていたのだそうですが、今日は石井AQさんが一緒。「今日はクリスマス。デートやディナーやパーティーや、諸々の予定を振り切ってこのコンサートに来てくださってありがとう」(笑)
 浩子さんは「クリスマスっぽい衣装」ということで、真っ白なストンとしたドレス(ストッキングも靴も白)に、コスモス色のカーディガン。胸には赤い大きなお花模様の刺繍が。うーん、どのあたりがクリスマスなのかなあ(雪のイメージでしょうか、それともケーキの生クリーム?)。
 AQさんも「クリスマスっぽい」大きなボンボンの付いた毛糸の派手な帽子を。中ほどにアルファベットで大きくなにやら書いてあるのですが、浩子さんも読めない謎のスペル(笑)、どこの国の帽子だ。

 浩子さんの持ち歌にクリスマスの曲はないので、まずは雪の歌を。
「カイの迷宮」これすっごく良かったです。シンセが加わって、壮大な感じに。冒頭の2曲だけで私はもう完全にノックアウト、これから2時間持つんでしょうか(笑)。

 ところでこの日のコンサートは、江東区文化センターホールのリニューアルオープン記念だったんですね。照明や効果や「文化センター、がんばってるなあ」って感じが、なんというか(ちょっと言葉に詰まる)微笑ましかったです。例えば‥
 照明が、浩子さんたちが演奏するステージの後ろから客席側に向かって照らされることがあって(なかなか雰囲気良いのですが)、なにやら背後に気配が。振り返ってホール後方を見上げると、ピアノを弾く浩子さんの巨大な影が天井に。これはちょっと不気味でした(笑)。
 ホール中央の天井には小さなミラーボールが。コンサートホールにミラーボール?? 曲の途中で回っても、小さな星がうっすらくるくる‥あんな控え目なミラーボールは初めて見ました(笑)。
 他にも、「月が誘う」では大きな月の映像が写し出されたり、「ねこの森には帰れない」では森や手紙(らしきもの)の形がバックに照らし出されたり、工夫のあとが見られました。

 雪の歌2曲目は「銀の記憶」、ちょっと意外。何故ならこの曲、私の中では黄昏色のイメージなんですよね<単にCDジャケットの色じゃん、それって。

 次は「皆さんで旅行をしましょう。旅行といっても時間旅行です」おお、なんかワクワクします。
「ええっと、半年くらい過去へ」なんですかその中途半端なスケールは(笑)。
「12月から半年過去に遡り、緑豊かだった5、6、7月を思い出して」なるほどそういう趣向ですか。「May」「6月の花嫁」「冷たい水の中をきみと歩いていく」。「冷たい〜」は、私が浩子さんのコンサートに行く度聴かせてもらっている気がします。

◆◇◆

 さあ、ここで本日のゲスト、栗コーダーカルテットの登場です。ステージ後ろのひな壇に、おじさん4人がぞろぞろと(笑)。(今気付きました。メンバーの栗原さんの「栗」と「リコーダー」を合わせて「くりこーだー」なのね)

 まずは彼らのみで1曲、「主エマニエルは生まれ給う」。その後浩子さんと一緒に「そっくりハウス」「猫のみた夢」。リコーダーと一口に云ってもいろんな種類があるんですね。短いものから背丈より高いものまで。他にも、曲が変わるごとに4人ともとっかえひっかえいろんな楽器を演奏──ギターやピアニカや、巨大なチューバが出てきた時にはどうしようかと思いましたが(別にどうもしなくていいですよ>自分)。
「みんな、本番に強いね」ということは、リハーサルは上手くいかなかったんでしょうか(笑)。

 私は、NHK教育「Jam the HOUSNAIL」で彼らの曲を聴いたことがあったんですね。リコーダーのアンサンブル、可愛くてちょっと物哀しくて、きっと浩子さんの曲に合うだろうなあ、などと思い描いていたのですが、いやはやそんな生易しいもんじゃなかった。ライブは想像以上に迫力がありました。

 一番左側の栗原さんは、首を振り振り情感豊かに演奏。絵に描いたようなマッシュルームカットです。
 その隣の川口さんは栗原さんと対照的、微動だにしないで笛を吹いています。木彫りの人形を彷佛とさせる容貌。
 その隣の近藤さんは、ラフな髪型といい格好といい、いかにもミュージシャンっぽい感じ。
 右端の関島さんは、大きな楽器を担当していたせいか、おとうさんといった雰囲気。

 そうか、映画「クイール」の曲は彼らだったのですね。映画のメイン・テーマ「ペジエ〜子犬のテーマ」を演奏。

 そもそも4人とも、本職はリコーダーじゃなくって、アレンジャーだったりギタリストだったりサックス奏者だったり。「たま」の知久寿焼さんのライブのバックで知り合い、「これ、リコーダーで吹いたら面白いかもね」なんてノリからなんとなくグループを結成。近藤さんなんて、最初はメンバーになる予定なかったんだって。栗原さんたちが最初に電話して誘った人が留守電で、次にかけた近藤さんは電話に出たから決まったという<メンバー誰でもいいんかい(笑)。「でも彼(近藤さんのこと)だったらすぐ吹けるようになるだろうと」「実際3ケ月で一気に上達して」「でもそれ以降はレベル変わってない」褒めてるんだか貶してるんだか(笑)。
 そんな経緯でできたグループだったのに、もう10年も活動が続いているというから面白いなあ。浩子さんも「違う分野の人たちが集まってリコーダーのアンサンブルやってるっていうのが面白い」と、とても興味深そうに話を聞いていました。

 再び浩子さんとセッション。「月が誘う」舞台の背景に大きな満月の映像が。「鳥は鳥に」では、栗原さんがリコーダーじゃなくてピアニカみたいな楽器を弾いていました。

 ここで栗コーダーカルテットは退場。拍手拍手。

◆◇◆

 再びAQさんと二人で、懐かしい昔の歌を。「ねこの森には帰れない」「カントリーガール」。「カントリーガール」はソロコンサートの時とアレンジがだいぶ違うようで、「ひとりで歌うカントリーガールは、飽きたかも」と浩子さん(笑)。

 他には浩子さん、こんなことも喋っていました(ああ、メモがあれば‥)。

 『Mezzo Piano』で「クルル・カリル(扉を開けて)」が「クルル・カリル」になったのには、理由がある。
(↑これは気付きませんでした。曲順にはそんな意味があったのか!)
 自分はアトム世代。手塚治虫の大ファン(どうしてこういう話の流れになったんだっけ?)。
 浦沢直樹の『PLUTO』は凄い(『鉄腕アトム』をリメイクした作品だそうな)。
 アトム世代でアナログなものが好きなんだけど、なぜかパソコンは好き。最近、ついに光回線になった。
 鹿児島みなみホールで行われたコンサートの模様をネット配信します。
 ニューアルバムは2月23日に出ます。

 いよいよコンサートも終盤。今日は浩子さんにとっても2004年最後のステージなので、「思い残すことのないよう、やりたい曲はやる」とのこと。さあ、どんな曲をやってくれるのかな?

「こんな感じ? いや、こんな感じかな?」
3曲のテンションの上り下がりを、全身使ってグラフで表現する浩子さん(笑)。

 そして曲目紹介。「仇」「王国」「ドッペル玄関」。会場大盛り上がり、大拍手。みんな考えていることは同じなのねー(笑)。

「仇」は、以前倉田信雄さんのピアノでものすごいインパクトのある「仇ーーーっヴァージョン」(勝手に命名(笑))を聴いちゃっているので、今回はどうかなあと。でもでも、浩子さんのピアノもとても力強くて良かったです。ただ、どうしても「♪ 残骸だけのこの家に〜」が「♪ 三階立てのこの家に〜」と聴こえてしまって、イメージが一気にツーバイフォーの民家になってしまうのはなんとかならないものか自分(笑)。

「王国」はもう、云うことないです。素晴しいっ。ラスト、CDで綾辻さんが歌っている部分はどうするのかなあと思ったら、浩子さんのピアノソロになってました。

 そして、ついにライブで聴けました「ドッペル玄関」!。照明も、それまでの黒と青から一転して、オレンジのポップな感じに。浩子さんは足拍子、AQさんは手拍子、自分のパートがお休みの時は座りながら踊っているのですよ! もう、ノリノリ。会場も自然と手拍子が沸き起こります。

 大いに盛り上がったところで、とうとうラストの曲です。浩子さん自身も「大好き」という「DOOR」。しっとりと力強く歌い上げ、感動のうちにコンサート終了。大拍手。

◆◇◆

 当然のごとく鳴り止まない会場の手拍子に応えて、浩子さんとAQさん再登場。
 アンコールは、栗コーダーカルテットも再登場。そしてさらに、江東少年少女合唱団の子供たちが登場したのにはびっくりしました。約20名くらい、夜8時まで出番を待っていたんですね。
 曲目は「さよならのかわりに」。大勢で歌う「さよならのかわりに」も、スケールの大きさを感じられてとても良かったです。

 なんと本日は2度目のアンコールが! 最後は浩子さんひとりで「今日はリクエストコーナーがないので、楽譜を持ってこなかったんですよね。「おやすみ」だったら、楽譜見ないでやれるかな‥」ということで、「おやすみ」を。そういえば『Mezzo Piano』もこれが終わりの曲でしたね。

 浩子さんにも、会場のみんなにも、心から「メリークリスマス!」


コンサートが終わって

「みんなでやるって、楽しいな」

 そんな気持ちになれた、暖かいコンサートでした。ずっとソロライブが続いていたせいか、浩子さん自身も久しぶりのセッションがとても楽しかったみたいで、その気持ちが会場全体に伝わって。クリスマスにちなんだ曲はなかったのに、心が満たされる感覚はまさにクリスマス。
 観客も、予定を振り切って(笑)コンサートに来ただけあって、ディープなファンが多かったみたい。いつも以上に会場の一体感が感じられました。曲目を浩子さんが云うと、みんなが「わあーっ」と同じ反応をするのよね(笑)、もちろん私も。
 そして終わってから気付きましたが、ニューアルバムからは1曲もなかったんですね。これはちょっと意外でした。

「ドッペル玄関」で踊る浩子さんが一番印象的でしたね(笑)。ああ楽しかった(^^)。

 この年末年始はアルバム「カントリーガール」をエンドレスで聴いてます。旧い曲の良さを改めてかみしめて。また今年もコンサート、行かれるといいな。

(2005/1/08)

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