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 Ayalist 2007年11月の日記(後半) 

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11月16日 

 来たる24日に行われる、綾辻さんと辻村さんの特別対談。当選の招待ハガキをお譲りしたい、というお申し出がありました。なんでもその方、東京出張の予定が変更になってしまわれたのだとか。希望者は、まずは私宛にメールをください(mihoro1012@yahoo.co.jp)。相手の方の連絡先をお教えしますので、ハガキのやりとりを行ってください。(締め切りました。11/19 3:00)
 ハガキの譲渡が可能なことは、講談社に確認を取りましたので、ご安心を。うっかり締め切りを過ぎて申し込み損ねた方、チャンスですよ。

11月17日 

 ミステリファンは東京だけじゃなく、関西にだって沖縄にだって北海道にだって台湾にだっているんだから、私が知ってる情報はみんなと共有したい、そう思ってサイト作ってます。「ここだけの話」ってのはあんまり好きじゃない。
 もちろん「書くな」と云われれば大人しくひっこめます。
 レポのページ、随時更新してます。よろしかったらどうぞです。

11月18日 頭蓋骨を落札した人(笑)。ほんとだ、すげー。

 特別講演の招待ハガキ、お申し出がありましたので、募集はここまでにします。

 読了本二冊。辻村深月『ぼくのメジャースプーン』(講談社ノベルス)。罪とか罰とか、とても重くて深いテーマに真っ向から取り組んだ作者の真面目さは大いに買いたい。秋山先生とぼくの授業がもう少し論理的に整理されて書かれていたら、ラストの驚きがさらに増したと思う。この先生のキャラはとても良いね。
 松尾スズキ『クワイエットルームへようこそ』(文春文庫)。映画と同じく、テンポの良さが心地いい。とても深刻な話なんだけど、筆致はからっと明るい。もうちょっと暗いところがあると、さらに物語が立体的に浮かび上がるんじゃないかな。

11月19日 

 画像その1、私は右回りに見えたけど、あなたは?(情報元、幻影の書庫日記。反対回りに見えるコツも書いてあります)ほんとだ、足先だけ見ると「左回り」って思えば左に、「右回り」って思えば右に見えるね。なんかすごい。

 画像その2、こっち向くサト(情報元:汎夢殿)。

 探偵小説研究会さんの文学フリマとミステリーカレッジ。「この人は、ミステリーを知らないか、そうでなかったら、いいひとなんだろうね」あれ、これって綾辻さんのセリフか?

 乱歩邸ツアーに当選した紅葉さん。乱歩邸って普段は非公開なのかと思ったら、金曜だったらみられるんですね。をを。

 ミステリーカレッジつながりでもうひとつ。「回想の推理作家」これ聴きたかったって人、私の回りに多いのよね。霞さんが日記に書いてくださってます

 推理作家協会の次回の大イベントは70周年の時なんだろうけど、今回行った講演は、毎年開いてくれればいいのにね。なにも一日にたくさんやることないから(あまりにプログラムが重なっていて、どちらを見ようか悩んだ人、たくさんいると思う)。

11月20日 

 綾辻さんの出ている本、二冊。
 大沢在昌さんの『エンパラ』(光文社文庫)が新装版として登場。綾辻さんとの対談が収録されています。微妙なかみ合わなさが面白いです。
 『北村薫のミステリびっくり箱』(角川書店)の手品の項のゲストは、綾辻さんとヒロ・サカイさん。先週の土曜日に行われた北村さんの講演会は、「ぼくのミステリな備忘ログ」にレポがあります。ミステリ界のドラえもんって(笑)。

 

11月21日 北村薫さん講演会、二つ。北村ファンも、行事が立て続けで大変ですね。

芥川龍之介と私〜『六の宮の姫君』を中心に〜
 講 師:北村薫さん
 日 時:12月16日(日)14:00〜 *13:30受付開始
 場 所:田端文士村記念館ホール(JR田端駅北口より徒歩1分)
 定 員:120名(応募多数の場合抽選)
 応募方法:往復ハガキの往信裏面に、住所・氏名・年齢・電話番号を
      返信表面に住所氏名を明記し、下記に申し込むこと。
      その際、イベント名称を必ず書くこと。
 宛 先:〒114-0014 東京都北区田端6-1-2 田端文士村記念館
 締 切:11月30日(金)必着
 問合先:03-5685-5171(田端文士村記念館)
 備 考:応募は一人一通(夫婦・親子に限り二名まで有効/夫婦・親子の別を明記)

関西ミステリ連合 冬の総会
 ゲスト:北村薫さん(サイン会あり)
 日 時:12月2日(日) 12:30開場 13:00開演
 会 場:大谷大学 2号館 2301教室
 入場料:1,000円

11月22日 「ミステリが読みたい!2008年版」本日発売(素行迷宮)。

「早ミス」こちらの本屋さんではまだ並んでいませんでした。「本ミス」は来月頭に発売だそうです。ああもう、ランキング本の季節になっちゃったのねえ。

 北村薫『紙魚家崩壊』(講談社)読了。なんとも味わい深い短篇集。最後の一篇が、エッセイですか?駄洒落ですか?と思ったら行き着くところはしっかり本格ミステリ。紙の上に文字を並べただけで、小説家はこんなこともあんなこともできてしまうのね、すごいなあ。

11月23日 『星新一ショートショート1001』を買うために貯金を始めました。

 「小説現代」12月号の「推協貼雑年譜」をぱらぱらと。大御所たちの若いこと若いこと。「小説新潮」12月号は「若手作家直撃インタビュー」のメンツが豪華。
 出版社のPR誌(こんなの)って、なんか最近種類が増えたなあ。地元で手に入るのはほんの一部なんだけど、「青春と読書」12月号(集英社)には乙一さんの対談が、「本の時間」12月号(毎日新聞社)には米澤さんのインタビューが載っていました。米澤さんは「Newtype」にも載ってましたね、聞き手がおーちよーこさんなんで、畑違いの雑誌でも記事はけっこうカッチリしていました。

 明日、講談社へいらっしゃる方々、どうぞよろしく。

11月24日 

 講談社文庫『暗黒館の殺人』刊行記念、綾辻行人さん特別対談に行ってまいりました。レポは後ほど。いつものように、ざっとご紹介。
 暗黒館にまつわる話を中心に、辻村深月さんが綾辻さんにインタビューする形式。/辻村さんの堂に入ったインタビュアーぶりに脱帽。書く才能のある人は、綾辻さんとも対等に話ができるんだなあ、感心。/にょろづかはボツですか(笑)/最前列には、喜国さん、国樹さん、宇山夫人、宝野さんが。/辻村さんは、小学校六年の時に十角館を読んで以来の、大の綾辻ファン。一方、講談社の唐木さんが暗黒館出版の打ち合わせに京都に行った時、新幹線の中で読んでいた原稿が、メフィスト賞に応募された辻村さんの『冷たい校舎の時は止まる』だった。唐木さんは作品のことを熱く語り、綾辻さんはそのときすでに辻村さんと手紙を通しての交流があったので、綾辻さんがじかにメフィスト賞受賞の知らせを辻村さんに伝えた。そんな縁のあるお二人。/暗黒館について、執筆にまつわるあれこれを辻村さんが質問。/書き上げた時は「これでもう、明日から暗黒館を書かないですむ」(笑) 骨がらみで格闘していたので、書き上がってすぐは達成感はあったが、評価が自分の中で定まらなかった。文庫化に際して久しぶりに読み返し、これで良かったと確信。/でも長いよねー。(笑) あとがきで臆面もなく云っている通り、自分では傑作だと思っているが。/まずトリックありき。それから人物配置などを考える。/でも『暗闇の囁き』はシチュエーションが先で、ネタは後から。こういう場合もたまにはある。/主要な場面は、決めの言葉というよりは「絵」が浮かぶ。それを目指して書いていく。/新しい装丁や解説、特別寄稿の話。幸せなことと思っております。/好きな館は、住みたいのは人形館。迷路館はゼッタイ嫌。暗黒館も、暗くてゴキブリが出ても分からなそうだから嫌。(笑)/小説はもやもや中間色なところもあるが、実際はめっきりはっきりした色が好き。着る物も黒と赤と決めてしまってからは気が楽。でもちょっと飽きてきた。/マスコミの「心の闇」という言葉の使い方には腹が立つ。言葉が消費されていく、分かりやすいキーワードでレッテルを貼って思考停止。「作家は、自作の中で言葉をとらえ直し、鍛えていかなくてはならない。」言葉を大事にしたい、それが仕事。/好きなシーン‥霧越邸のエピローグとか、びっくり館のラストとか。/暗黒館が佳境に差し掛かったころ、ミステリーランドの仕事を引き受けたのだが、そのときとっさに「びっくり館」という名が浮かんだ。平仮名で。分厚い暗黒館の本の隣に(版型を変えて出された)薄いびっくり館が並んでる、そういう絵が浮かんでしまった。/今でも怖がり。ホラー映画も何度見ても同じシーンでびっくりする。子どもを作家にしたいお母さんは、子どもの頃にうんと怖い思いをさせるといいかも。(笑)/暗黒館のあの双子は、書いていて楽しかった。鬼丸老は、佐々木倫子さんにウケが良かった。/暗黒館は自分のために書いた小説。もちろん、本として出す以上、読者に伝わるように書くのは当然だが。/視点が飛ぶ仕掛け。「エラいこと思いついてしまったなー、やりたいけど大変だなー」/館シリーズ、同じパターンは続けて書きたくない。本格ミステリの枠組みの中でどれだけのことができるか、思い返すといろいろ実験しているなと。/『Another』中学生が主人公。「中間試験っていつ頃あった?」「上履きって履いてた?」辻村さんに訊きながら書いていた綾辻さん。/本格ミステリはもっと鷹揚な器であるべき。若い人に敷居が高いと思われるのは残念。100人作家がいれば100の理想郷がある。/来年二月の新刊は、『深泥丘奇談』(みどろがおかは平仮名かもしれません。きだんは「綺談」かも。「綺譚」ではない)。/デビューして20年、こうしてイベントが催せるほどには存在できていることを、嬉しく思う。思い返せば、あまりひどい目に遭ったことがない。島田さんと出会い、竹本さんと出会い、宇山さんと出会い、皆川さんに応援され、中井英夫さんにも一度だけだがお目にかかり、そうした出会いが作家としての自分を育ててくれた。編集さんもみな一生懸命やってくれ、恵まれていると思う。そして今度はこうして辻村さんや、道尾さんや、少し前には乙一さんや、那須きのこさんも先日文庫の解説を書かせてもらったが、いい感じでつながって来ているのが感慨深い。中井さんの「悪意を一身に引き受けたような小説を書くんだよ」の呪縛は今でも残っているし、世界を支配する半分は悪意かもしれないが、悪意からはこうしたつながりは絶対生まれない。それを善意と呼ぶのはこっ恥ずかしいが、ポジティブなつながりだからこそ続いてきているのだと。そこを信じてやっていけたらいいと改めて思う。/乱歩の「うつし世は夢 夜の夢こそまこと」という言葉が好き。嫌いな言葉は「事実は小説より奇なり」。生々しい現実は、現実だけで十分。生きてる限り我々は、鎖で地表につなぎとめられている状態。小説は絵空事に過ぎないが、錯覚でもいいからその鎖を解き放ちたい、それが僕らの仕事。/今日ここで僕が辻村さんと対談したように、五年後、十年後に辻村さんが新しい誰かとここでぜひ対談してほしい。そう考えると楽しい。会場の中にもミステリを書いてやろうと思う人がいるかもしれない、ぜひ来てください。読者のまま快楽を享受するのもいいが、登竜門はたくさんあるので、書き継いでいってほしい。(ごめん、すごく長くなっちゃった‥)

11月25日 

 昨日だーっと書き並べた講演会の内容、ほとんどが綾辻さんのおっしゃったことで、辻村さんの質問は書いてないのですが、いやあ、作家さんが本を褒めるときって、語彙が豊富でさすがですね。私なんか「わーっ、すげえ」しか言葉が浮かばなかったりするんだけど(笑)。そのあたりも再現すべくレポ書いてますが、なぜにこれ?というような珍妙な壁紙が出来上がってしまい‥、まあそのうちこっそり公開しておきます。

11月26日 

 青猫さんによる、なぞがたりなばり北森鴻さん講演会レポ。民俗学とか歴史とかって、ミステリと相性いいですよね。

 今、新井素子が熱い(のかも)(思っているよりもずっとずっと人生は短い。11/25)。え、『ひとめあなたに…』も創元から復刊?というか、絶版だったことがものすごく驚きです。若い頃、何十回も読み返しましたよ。あの名作が絶版‥がーんがーん。東京創元社、偉いっ!

 先生と言われるほどの ばかでなし(Junkland 11/24)。これ、悩みますよねたしかに。私は、日記で書くときは作家さんの名前は「さん付け」(例外は乱歩、横溝)。面と向かってだと「先生」と呼びますけどね。海外作家は敬称なし。MAQさんは野球選手を例に上げてますが、芸能人も呼び捨てがしっくり来るんだよね。でも、同じ日記の中で作家はさん付け、芸能人は呼び捨て、ってのは私もかなり抵抗あります。

 『マリアの月』特設サイト。表紙が大野季楽さんのお人形なんで、気になっていたんですよね。この著者、デビュー作の『アリスの夜』は恋月姫さんの表紙だったなあ。人形、お好きなのかしら。

 矢野龍王さんサイン会(悲しいですサンタマリア 11/17)。えっ、本名なんすか。

 だいぶ前の記事ですが、鮎川哲也賞・ミステリーズ!新人賞 贈呈式。綾辻さんが選考経過を述べられています。写真もあり。

11月27日 ミステリマガジンが売ってない(涙)。綾辻さんのインタビューが載ってるのに

 先日の綾辻さん特別対談、他の方の感想をいくつかご紹介。
 生「綾辻先生」初体験の私には「ギョッ」としちゃった服装でした(あかねのたわごと☆本日記)。そっか、私はもう見慣れちゃったけど。そういえば、七年前はまだ赤いスニーカーは履いていらっしゃらなかったなあ。
 ぼっふんぼっふんの金髪パーマヘアに、白黒ツートンの毛皮のジャケット、巨大なサングラス……(嘉乃のぽわわんな日常)。私はアリカさんの二列後ろでしたので、さらに良く見えたかも。
 最後の綾辻先生の鬼気迫るお話は、ずどーんと来ましたよ(まみやのミステリ日記)。まみやさんとは、マリアの心臓、ご一緒したのでした。

11月28日 本屋を六軒回って見つからず。そうか雑誌もネットで買えるんだったね。

 

 「2008本格ミステリベスト10」は12月3日発売(素行迷宮)。綾辻行人×西澤保彦×霧舎巧の鼎談が載ります。「『 ミス』とか『  ミス』とか『 ミス』に負けないよう頑張ったさ」だそうです。えっと、三つ目の略称はそれで決定なの?(笑)

11月29日 

 一部にしか分からない話でゴメンね。某所で読んだ「まもるくんが諸星大二郎の絵だったら怖いよね」にウケる。「だいだらぼっち」も、空を埋め尽くす感じが似てるなあ。実は、日記の壁紙はかわいい顔で描いたけど、最初に浮かんだ「まもるくん」は写植記号BA-90でした(笑)。これで描くとちょっと怖いかな。でもあの歌、私は怖くはないよ、守られてる感じが嬉しいよ。

11月30日 綾辻さんが泣いたのは、「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」だったか

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