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 Ayalist 2006年10月の日記(後半)

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10月16日 

▽ 米澤穂信さん講演会。詳細はこちら
 日 時:11月4日(土) 14:00開場 14:30開演
 場 所:早稲田大学 西早稲田キャンパス14号館102教室

「小説家のミステリーズ・ルーム」これは誰のブログなのかな? 9/23の記事によると「性別は男」「年齢は三十以上五十未満」「そこそこ大きな文学賞をひとつ受賞」「文庫入りした作品も何冊か」。私の予想は福井晴敏さんなんだけど、そうすると10/14の「明日某市で講演会」が一日ズレてることになっちゃうんだよね‥ううむ。
「作家は講演が下手くそ」の中に「ミステリーのAさん」とありますが、綾辻さんはお上手なので別の方でしょう。綾辻さんはゆっくりはっきりお話しになるので、とっても分かりやすいしメモも取りやすいのよね。28日が楽しみです。

10月17日 ちゃんと当たってる人もいるんだね。「1ポイント」は私も時々当たるんだけどね。

▽ 最近の東京創元社は文庫化が早いねえ、昔がウソみたい(笑)。12月は『アヒルと鴨のコインロッカー』が文庫に。あと佐々木丸美さんの『崖の館』も出るみたいですよ。

▽ 今年の誕生日は自分へのプレゼントとしてこれを買いました。
青の風景
 初めて東山魁夷の絵を見たのは、小学生の頃だったかな。新聞の日曜版に「道」が載っていたんですね。あの青みがかった緑色にすっかり魅せられ、それ以来ファンに。展覧会にも何度か足を運びました。晩年の作品「星降る夜」はこの本で初めて見ました、素敵〜。あーでも印刷物はやっぱり色が本物と違う、「雪原譜」の青なんてもっともっと鮮やかだもんね。

10月18日 今年もあと二ケ月とちょっとだよ、どうしよう。

▽ 関ミス連は、ネットを始めた頃から知っていたのに、なぜか関東の「全日本大学ミステリー連合」は、つい最近知ったという。杉江さんが推理作家協会の会報に「ミス連」の歴史について書かれています。綾辻さんがゲストで参加された年もあったんですね。

10月19日 

「自分の価値観を変えた本ランキング」。私は『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』を読んで以来「ぬか漬け」を作るようになりました(そんなことかい(笑))。「人生を変えた本」なら、自分の場合間違いなく『十角館の殺人』です。

▽ 石持浅海『顔のない敵』(カッパ・ノベルス)読了。今後、地雷のニュースに接する度、この小説のことを思い出すことでしょう。ミステリとしても読みごたえあり。罪人を法律で罰しないのは正直抵抗あるけど、その辺りも含めて考えさせられる小説でした。文章がとても読みやすくて取っ付きやすいのもマル。

10月20日 イベントのお知らせです。

「本格ミステリーの愉しみ〜作家と読者の団欒〜」
日 時:11月29日(水)開場18:00 講演&対談 19:00〜20:30 終了予定21:30
     (講演の前後は自由な感じのサイン会)
内 容:講演、対談、サイン会、プレゼント抽選など
講演予定作家:
    浅暮三文 「ミステリーが分からない」
    霞 流一 「狂喜準備集合罪」
    黒田研二 「マンガ原作『逆転裁判』について」
    二階堂黎人「本格ミステリーの愉しみ方」
   (司会:おーちようこ)
場 所:国立リバプール(ライブハウス)
入場料:1000円
本の販売:会場内で講演作家の著書を若干販売。購入者には特別プレゼント抽選券(当日、抽選)を進呈
サイン本:基本的に持ち込みOK。当日の混雑具合を見て、冊数に上限を設ける場合もあり

「2007本格ミステリ・ベスト10」投票受付中。締切は11月6日(月)24:00。対象は、奥付が2005年11月1日から2006年10月31日の国内作品。私が読んだ新刊は‥12冊か。アンソロジーの扱いはどうなるのかなあ。今年読んだ本格だと『びっくり館の殺人』『気分は名探偵』『川に死体のある風景』『向日葵の咲かない夏』『顔のない敵』が好きだったな。

10月21日 

▽ 室井さんの映画は後でゆっくり見るとして。名張まであと一週間、なんだかあっという間だなあ。♪ ぼ、ぼ、僕らは青年探偵団。ひとり老人<それはドリフのネタだって(古すぎ)。

「予告なくサイト更新を休むというのはひとつの罪かもしれません。できればひと言くらい告知がほしいものです」。管理人に不慮の事態が起こった場合、サイトはどうなるか、というか、どうすることにしておくか。幕引きまで自分できちんと管理したいものです、って読んでる皆さんには関係ない話ですね、すみません。

10月22日 

▽ 大崎梢『配達あかずきん』(東京創元社)読了。そもそもの謎がちょっと無理矢理では?と気になる短篇もあったけど、書店の仕事がいろいろ分かるのが楽しかったです。謎解きとサスペンス両方味わえる表題作が秀逸。装幀も無駄(?)に凝っていて、いいなこういうの。

10月23日 

▽ 楽天から期間限定ポイントをもらった(誕生日月なので)んだけど、買おうと思った商品に「売り切れました」の表示。ちぇっ。

▽ はてなダイアリーは、編集画面にするとリンク元(どこからこのページに飛んできたか)も表示されます。今月は小説の感想を七つ書いたのですが、一番反応が多かったのが『魂萌え!』、これはおそらく映画化・ドラマ化の影響かと。次点は『ボトルネック』。やっぱりここでもミステリよりラノベ系が強いのかなあ。何となくですけど、ネットを巡回していても「ミステリ、ちょっと元気ない?」と感じてしまう今日この頃。数年前ばりばり元気だったミステリ系サイトが、軒並み更新頻度落ちてるのも関係してるかな。

10月24日 月下美人の鉢が軒並み倒れる大風、大嵐。今も雨がざんざん降って‥あれ、少し小降りになったかな。

「ネタバレに関して」(雲上日記)
 「未読のひとを意識していない書評」(Something Orange)
 Ayalistでは、本の感想はこんな↓スタンスで書いてます。
・あらすじは書きません。めんどくさいから(笑)。ネット書店の当該ページに行けば書いてあるでしょ、興味を持った人は自分で調べようね──って、なんて高飛車なんでしょう(^^;;)。でもAyalistは「綾辻行人のデータベース」が本分、書評サイトではないので、管理人の日記や本の感想は云わばオマケのようなもの。未読の人にも分かりやすいよう体裁を整えるより、気軽にちょろっと書いて毎日続けることのほうを優先させてます。
・てなわけで、未読の人に対しては思いっきり不親切な感想で申し訳ない。それでも「mihoroさんがこの間ホメてた本、読んでみました」なんて云ってもらえると、ものすごーく嬉しいです。
・読んでつまらなかった壁本については、読んだことすら書きません(でもそんな例は今のところ一度もないです)。かといって気に入った本を無闇に絶賛すると「mihoroさんはすごく褒めてたけど、読んでみたら大したことないじゃん」と逆方向に作用しかねないので、難しいところ。本当は一切予断を与えずに読んでもらうのが一番いいんですけど、それだと本の紹介そのものができなくなってしまうからなあ。
(この項もうちょっと、明日に続く)

10月25日 

▽ 今日も歯医者だ(涙)。削られてる間中「カリエス・ウォー」の映像を頭に思い浮かべて必死に耐えてました(笑)。侵略されまくり私の歯。カリエス・ウォーって何?という人はググってみよう(わざわざ調べるほどのものでもありませんが)。

▽ 昨日の続き。Ayalistでは、こんな↓スタンスで本の感想書いてます。
・ どこまでをネタバレというかの判断は難しい問題で。たとえば帯に「最後の1ページに驚愕!」なんて書いてあることあるけど、これって厳密に云えばネタバレだと思うのよね。なので「わーい面白ーい」なんて小学生みたいなひとこと感想しかサイトには書いていません。ネタに言及した感想はmixiでと思ってたんだけど、ちっとも書いてませんね。てへ。

▽ 映画『ブラック・ダリア』鑑賞。うわあ、デ・パルマの映画だあ。『アンタッチャブル』を彷佛とさせる絵がいくつも出てきてニヤリ。エリザベスとベティは同じ名前なんですよ mihoroさん(そんなとこでつまづいてどうする自分(笑))。ブラック・ダリア役の女優さんが良かったなあ。

▽ 山口美由紀さんって意外と文庫になってないのね。『おんなのこ季節』が好きで、これはコミックスで持ってるんだけど。『V-Kカンパニー』連載の頃はもう「花とゆめ」あんま読んでなかったんだっけかなあ(記憶の彼方)。古書店で見つけて坂浦先生っつーのをチェックしちまいました(おいおい)。「主観的声の配役」故人になられた方が二人も‥。

10月26日 

▽ 本屋とか図書館とか、本に囲まれた場所で働いてみたい、と思ったことある人は多いと思います。そっか人手不足のところもあるのか>本屋のほんね 10/25

「Web 幽」開設(りほさん情報)。こんなにあるんだ「幽グッズ」、いつの間に(笑)。次号は12月8日(金)発売だそうです。

▽ 日本ミステリー文学大賞新人賞、選考会終了。選考委員は、有栖川有栖さん、北村薫さん、高橋克彦さん、田中芳樹さん。へええ。

▽ 読書速度測定。サンプルの文章が複数あるので、リロードして何回かチャレンジしました。私はだいたい600〜700文字/分。日本人の平均読書速度は400〜600文字/分らしいので、ちょっとホッ。でも読書家の方々は1000とか2000とか軽く超えるみたいですね。一日一冊ペースで本を読む親しい方は、3000文字/分をはるかに超えてました。神!

10月27日 クレヨンしんちゃんの中の人が他の役をやってるのを、初めて聞きました。別人‥。

▽ 名張に行かれる方、明日よろしくお願いします。時刻表調べて、地図も確認して、予約券持って、本持って、カメラにMDに‥よっしゃあ。

▽ 映画『暗いところで待ち合わせ』。栃木での上映はないのか、がっかり。

10月28日 なぞがたりなばり、行ってきました。朝5時に家を出て帰ってきたのは23時。長く楽しい一日でした。

 とりあえず今日は「微笑ましいお二人のツーショット」写真をアップ。レポも後ほど書きますよん。

10月29日 昨日の講演の概要を。詳しくは後ほどレポートの項に。

・タイムスケジュールはこんな感じ。
 市長挨拶 13:30〜13:40
 講 演  13:40〜14:45
 質疑応答 14:45〜15:15
 サイン会 15:40〜16:50
・場所は、今夏新設された「名張市武道交流館いきいき」。立派な建物でした。広い会議室に、パイプ椅子が200席以上あったんじゃないかな。
・この日の講演は、手話通訳と要約筆記(OHPに講演の内容を随時書いてくれる)が。ところが、要約筆記をされる皆さま、あまりミステリをご存知ないようで(笑)。市長さんが「豊島区と姉妹都市提携を結び」(豊島区は乱歩邸がある)とおっしゃっている時、「どこの都市だって?どこ?」と慌てたり、綾辻さんが「めしいのけものと書いて『盲獣』」とわざわざおっしゃっているのに『猛獣』、『三角館の恐怖』は『三角関係の恐怖』(笑)。いえいえ笑っては失礼ですね、筆記のプロであってミステリのプロではないわけですから。私は、視線綾辻さんロックオンで講演を聴いてたので、筆記はほとんど見ていなかったのですが、もしかしたら綾辻さんのお話を聴きながら筆記の間違い探しをするのが一番楽しかったかも?
・綾辻さんは昨日の夜のうちに名張入り。当日の午前中は、乱歩生誕の地へ赴き、乱歩の愛したうなぎ屋で昼食を取られたそうです(清風亭というお店。おお、乱歩や清張の色紙が!)。
このチラシに謎が隠されています(掲示板に書き込みくださった名張のAさんが作成されたそうです)。皆さん解けるかな?

綾辻さんの講演。
・乱歩は三大原体験のうちのひとつ。ちなみにあとの二つは楳図かずおとウルトラQだが、二者とも乱歩の影響を受け、影響下にあると云えるので、自分のルーツは乱歩である。
・乱歩との出会いが三回ある。
 最初の出会いは小学校四年生の時。熱を出して寝込んでいたら、近所のお兄さんが乱歩の『妖怪博士』(もう一冊はルブランの『奇巌城』)を差し入れてくれた。それまではさほど本を読む子どもではなかったのだが、大変面白かったので以後もポプラ社のシリーズを読みあさった。二十面相ものはパターンが決まっているので、十冊も読めば飽きてくるが、シリーズ後半の大人もののリライトがとても面白かった。大人っぽくて怖い、本格ミステリだと感じた。
 乱歩のいわゆる通俗小説(『蜘蛛男』や『一寸法師』や)も、プロットは本格ミステリ。不思議な事件や猟奇的な事件が起こり、伏線があって意外な犯人にたどり着く。ただこの意外な犯人も、子供心に見当がつく、その分かりやすさ加減というかさじ加減が、十歳の子どもを引き込んだのだと思う。
・この頃読んだポプラ社のシリーズの中では、リライトものは別格として、『怪奇四十面相』や『大金塊』が好きだった。講談社の少年版乱歩選集は表紙が怖かった(わあほんとだ)。ドラマは見た覚えがない。
・二度目の出会いは、大人ものの乱歩を読み始めた、小学校六年生の時。父の書棚にあった『盲獣』を読み、乱歩は本当はこんな人だったんだ!と、その神髄に触れ、新潮文庫の傑作選や角川文庫の長篇を次々に読んだ。乱歩は、トリックにこだわり本格を愛した人ではあるが、自身の小説は本格というよりは「変格」、むしろ怪奇幻想の人であることに衝撃を受けた。
 自分の大好きな『孤島の鬼』も、前半こそ本格っぽい部分もあるが、それはあっさり解決してしまい、以降は怪奇幻想の冒険活劇が延々と続くヘンな作品。同性愛やフリークスもからんでくる。『三角館の恐怖』は本格。翻案で乱歩オリジナルの作品ではないが、大好き。短篇では「芋虫」「鏡地獄」「赤い部屋」などがお気に入り。赤い部屋は自分も新居に作った。
・第三は、研究家としての乱歩との出会い。乱歩は、日本の推理小説の育ての親、父である。推理作家協会の前身である日本探偵作家クラブを作り、乱歩賞を創設した。興味の対象が海外ミステリのほうへ行って乱歩から離れていた時期もあったが、その都度また乱歩の違う顔を知って感動、やはり乱歩はすごい!と認識を新たにする、その繰り返しであった。
・乱歩賞の選考委員は今年で三回目(任期は四年)だが、あこがれの乱歩の名を冠した賞の選考委員を自分が務めるというのも感慨無量。投稿者へのアドバイスとしては、原稿は読みやすいに越したことはない。内容が問答無用に面白ければ別かもしれないが、誤字脱字や変換ミスは、ちょっと読み返せばなおせるものなので、その手間は惜しまないよう。乱歩賞の傾向と対策がある、という人もいるが、自分はそういうのは嫌い。どうしてもこれが書きたい、これを読みたい、そういうものが見つかるかどうかが基本。
 本でも映画でも、貶すことはバカでもできる。しかし批判するだけの人は作家にはなれない。クリエイターになりたいなら、人の作ったものをいかに豊かに読めるか見れるかがポイント。たしかに客観的に見てつまらないものもあるにはあるが、なぜこれが本になり、あるいは映画になって世に出ているのかを考える、そうした見方を養うことが大事。
 乱歩との一度目の出会いのあと、「これなら自分も書いてみたい!」と乱歩に憧れて書いてみたのが十一歳の時。作家になって二十年経つが、今なお作品を完成させた時(=エンドマークを打った時)には最大のエクスタシーを感じる。麻薬のようなもので、その瞬間のために書いていると云っても過言ではないくらい。筆が遅いので、なかなか味わえないのだが‥。
・デビュー作『十角館の殺人』も、『三角館の恐怖』を読んだからこそ「十角」という言葉が出てきたのだと思う。短篇「フリークス」は『孤島の鬼』へのオマージュで、登場人物のJMはもちろん諸戸丈五郎のイニシャル。『暗黒館の殺人』も、自分なりの『孤島の鬼』が書きたいという気持ちがあったので、同じような人が出てくる。主人公の中也と玄児は『孤島の鬼』の二人によく似ていると最近になって気づいた。もっとも暗黒館は「僕なりの『黒死館殺人事件』を」「僕なりの『虚無への供物』を」という気持ちもこめられた欲張りな小説なのだが。
・もし乱歩と競作の話が持ち上がったら‥畏れ多いので逃げます。『月館の殺人』佐々木倫子さんとの競作は楽しかった。テツの世界をいろいろ知ることもできたし。もともと自分は合作が得意で、例えば『殺人鬼』も原型は我孫子武丸さんとやったリレー小説だった。安楽椅子探偵では有栖川さんと六作作ったし、友達に恵まれている、ラッキーだなと思う。

(まだまだ続く)

10月30日 講演の概要、続き。

・この日のメインイベント(!?)。有栖川有栖さんが、壇上に置いてあった衝立の陰から登場。(ずーっとそこに隠れてたのかと思ったら、裏の部屋に続くドアがあったようで。そりゃそうだ(笑))向かって左に綾辻さん、右に有栖川さんが座る。綾辻さん曰く「このポジションは、馴染みますね」。
・「もっと派手に、模造紙でも破って登場しようと思ったんだけど」と有栖川さん。「仮面にマントとか」と綾辻さん。
・「ダ・ヴィンチ」の企画で、以前乱歩邸に行った時の話。お二人の他に、竹本健治さん、島田荘司さん、小野不由美さんが一緒に行った。蔵の中ではみんな子どものようにニコニコ。人間椅子のモデルになった安楽椅子に座って写真を撮ったり、ドラマでつかわれた黄金仮面を手にしたり。
・蔵にある本を持って帰ったら犯罪だけど、自分の本を置いて帰るのはどうだ?(それって喜国さんだっけ) 喜国さんはわざわざ乱歩邸のトイレを借り、後で「俺は乱歩のトイレまで知っている」と自慢の種にしていたらしい(笑)。とにかく乱歩は、みんなにとって憧れの人。
・「安楽椅子探偵」来年の秋頃もしかしたらあるかもしれない。

 この後有栖川さんは退場、会場の一番前の席に座られた。引き続き綾辻さんの講演。

・もし乱歩との対談がかなったら緊張して、とても今有栖川さんと話したように打ち解けては無理だろう。訊きたいことはたくさんあるが、本格ミステリ作家クラブを創設したことにどう反応されるかが気になる。
・乱歩賞の応募作に乱歩的な作品があまりないのは残念。今のミステリ界は百花繚乱の感があるが、怪奇幻想の大家である乱歩が喜ぶ作品は、果たしてどれだけあるのだろうか。
・『容疑者Xの献身』問題について。自分の中に本格の「綾辻定義」が二つある。ひとつは、偏狭な本格マニアとしての物差し。しかしこれだと、クイーンの国名シリーズしか本格でなくなってしまい、一般的、現実的でない。もうひとつの物差しは「トリッキーなプロットを、後出ししない努力を惜しまずに、書き切った小説」。これに照らし合わせれば、「X」は本格だと思う。
・「Yoshiさんの小説しか読んだことのない女子中学生を、本格ミステリの世界に引き込むには」わざわざ引き込む必要もないだろう。もともと本格ミステリはマイナーなジャンルで、出会う人は出会うべくして出会い、深く愛する、それでいいのではないか。

(講演はここまで。あとは質疑応答)

▽ 参加された方々のレポートがすでにアップされています。皆さん仕事が早いなあ。
 ・青猫さんのレポート
 ・benihaさんのレポート(その1)(その2)(その3)(その4) 
 名張市のHPにも、近いうちに内容がアップされることと思います、お楽しみに。

▽ 先週末は、大沢さん&京極さんのトークショーとサイン会があったり、竹本さんと喜国さんのサイン会があったり、盛りだくさんでしたね。

10月31日 レポ、書いてます〜。

▽ 20代は本離れ、50、60代は本回帰。自分、10月はけっこうたくさん読んだ気がしていたのですが、7冊か。トータルすると、今年は週1冊ぺースでした。でも記事にあるような「今月は1冊も読まなかった」って月はなかったから、世間一般からするとこれでも読んでるほうなのかな。

▽ 文庫版『月の扉』10万部突破。実は買いそびれていたので、今日買ってきました。杉江松恋さんの解説は(ですます調と、だある調が混ざった文章はちょっとどうかと思ったけど)なかなか面白かったです。「地雷禍に立ち向かう某NPO団体に、印税の一部を寄付」これも石持さんらしいなあ。

 

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