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 Ayalist 2006年12月の日記(後半)

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12月16日 来客があって忙しくしてました。さあこれで一段落。あれを読んであれを読んであれを書いて‥よしっ。

12月17日 

▽  安井俊夫『犯行現場の作り方』(メディアファクトリー)読了。ミステリの舞台となった数々の館を紙上で再現。途方もない工事費用や建築基準法にそぐわない箇所など、矛盾点を指摘しつつも、あげ足取りになっていないところが素敵です。原作への愛と敬意にあふれているので、大変心地よく読めました。続編もありそうなので、期待。

 ところで、本書の中で「三角館」は「乱歩先生、せめてトイレと風呂ぐらいは書いてほしかった」と云われてしまいましたが、トイレといえば「暗黒館」‥いえね、「このミス」の座談会で関口苑生さんが、暗黒館にはトイレがないと、いちゃもんをつけているんですよ。んなことあるかいな(笑)。念のため『暗黒館の殺人』を読み返してみましたが、「手洗い」という表現で文中に何度も登場しています。千街さんも「リアリティは犠牲にせざるを得ない」なんて同調してないで、ちゃんと反論してくださいよー、書いてあるんだから。三角館にはなくても暗黒館にはあるのっ。
 評論家って、自分の好き嫌いで物言う職業じゃ、ないよね?

12月18日 

▽「GIALLO」に掲載された「洗礼」、前後編を通して読みました。今回は『どんどん橋、落ちた』系列のお話。初心者向け犯人当てだそうですが、犯人分かりませんでした(><)。注意力不足の自分に喝っ。犯人当てと全然関係ない部分は予測ついたのですが、自慢にもならないなあ。
 八月三日の話ということで、かなり構えて読み始めたのですが、意外にも軽やかな話でびっくり。最近の綾辻さんは、『Another』(初回しか読んでないけど)といい、どこかしら前向きパワーを感じます(^^)。

12月19日 

▽ 近所にT書店ができて以来、それよりちょっと遠くにあるL書店にはご無沙汰していたのですが、久しぶりに行ってみたら、レジ脇に「クリスマスプレゼントにいかが?」と絵本コーナーができていました。が、置いてあるのがゴーリーの絵本と自殺うさぎ(Xmas仕様)パロル舎の絵本って‥マニアックすぎやしませんか(笑)。おお、七戸さんの『カンパネルラ』や『箱少年』もあるぞ。パロル舎は絵本から撤退すると聞いたけど、そのせいで今こんなに一所懸命売ってるのかしら。自分へのプレゼントとして買ってきたのは味戸ケイコさんの本。佐々木丸美さんの復刊の話を聞いてたら、なんか無性に懐かしくなっちゃって(佐々木さんの文庫の表紙が、味戸さんの絵だったのです)。

12月20日 青島さんに岸田今日子さんに‥、ショックです。えっ、カンニング中島も?(絶句)

▽「『僕の殺人』の文体は、佐々木さんの影響を受けています。」(太田忠司の不定期日記12/20)。『僕の殺人』好きなんですよね、再読してみようかなあ。

▽ 掲示板で教えていただいた雑誌を見に行ったら、ナンプレ関連の雑誌が山のようにあって、ものすごくびっくり。ようやく森さんの連載が載ってる一冊を探し出しました。ふう。

「文学 回顧2006」(読売新聞)。私の中では東野圭吾さんは、とっくの昔から「国民的人気作家」なんですがねえ。児童文学出身者とかライトノベル出身者とか、いちいち分けて扱うのもなんだかなあ。このミス同様、大極宮の評価は高し。

12月21日 Ayalistにとって、信じられないようなことがいっぱいいっぱいあった2006年でした‥ってまだ終わってないけど。

▽ 米澤穂信さんインタビュー。『ボトルネック』はそのうち再読したいなあ。私はこの小説にすごく救われたんですけど、ううむやっぱり誤読だったのかな‥。

▽ 同人誌「幻影城の時代」 近日発売!(野地さん、情報ありがとうございます)。綾辻さんも文章を寄せられています。島崎さんといえば、そうだよ綾辻さん訪台関連のトピックスをまとめなくては。雑誌にレポは載りそうにないし(「メフィスト」休刊中が痛かった。名張で質問し忘れたのも痛かった)。

12月22日 綾辻先生への応援メッセージ、どうぞよろしくです〜。

▽ MYSCON8 開催が決定だそうです。

▽ 深川拓さん、『時計館の殺人』を絶賛。大変説得力のある評です。でも季節的に今は『霧越邸殺人事件』を読むのがおススメ。時計館は、夏の暑くて寝苦しい夜に読み始めたらうわー怖いよーでも読むの止められないよー、というのが臨場感あっていいかも。

12月23日 綾辻先生、お誕生日おめでとうございます!

 『独白する〜』があんだけ高評価なんだから、『殺人鬼III』だって!(笑)

12月24日 クリスマス・イブ。鳥は食べてません。ケーキは食べました。

▽ まだ終わっていませんが、今年読んだ中でマイベスト本を挙げておきましょう。
『びっくり館の殺人』『独白するユニバーサル横メルカトル』『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』『川に死体のある風景』『気分は名探偵』『背の眼』『ボトルネック』『陽気なギャングが地球を回す』『月館の殺人』『ピタゴラ装置DVDブック(1)』『自殺うさぎの本』

 部屋を掃除して、積読の多さにほとほと呆れました。少し買うのを控えなくっちゃなあ。

12月25日 

▽  クリスマスに間に合った(笑)。J・ディーヴァー『クリスマス・プレゼント』(文春文庫)読了。これ、買ったのはずいぶん前なんですよね。「TITLE」という雑誌のミステリー特集で初めて知ったから、おおちょうど一年前か。帯の惹句が「どんでん返し16連発」、しかも短篇集。ふっふっふ、これは私好みかも、ということで読んでみました。
 なるほど、被害者がくるりと加害者に、その逆も然り。どいつもこいつも裏がありそで面白かったなあ。表題作と「三角関係」「被包含犯罪」が特に印象に残りました。

12月26日 

▽ 推理作家協会会報12月号。名張でのトークショーの模様がちらっと。リレー・エッセイは内田康夫さん「作家になる直前に読んだミステリー」。ちょっと意外な一冊でした。

▽ 年が明けてからですが、七戸優さんの個展があります(青木画廊)。これは行ってみたいな。折原さんの「作家の隠し玉」にあった「石田黙展」(これは6月)にも行きたいし‥って、絵画ばっかりですね(笑)。

12月27日 昨晩は夜中に大雨、雷。おさまったと思ったら猫のケンカ(笑)、騒々しい夜でした。

▽「ナンプレファン」で連載中の、森博嗣「パズルの世界のミステリィ」。バックナンバーをミナさんに送っていただきました。どうもありがとうございました(ちゃんとグレアムの誕生日に届きました〜♪)。
 森さんがミステリに関するエッセイを書かれるなんて、ちと意外。いきなり初回から、日常の謎派にケンカ売ってます(うそうそ、そんな不穏当なものじゃないです)。これも分量がたまったら、きっちり本になるのでしょうか。文庫でまとまってくれたら嬉しいけど、出版社は世界文化社‥うーん‥。

▽ 今年もはてな年間100冊読書クラブに参加したんですが、年内あと一冊読めたとしても73冊ですので、目標に到達せず。しかも絵本や漫画を除くと50冊ちょっと、ううむ。積読は増える一方だし、再読したい本もいっぱいあって、でも「綾辻さんの本だけ繰り返し読んでればいいの」というのも本音なんですよね(笑)。先日も、ちょっと確認のつもりで暗黒館を広げたら、結局読みふけっちゃったし。今月は「洗礼」が読めたのも嬉しかったなあ。大好きなものがあると、人生楽しいです(*^_^*)。

▽ その他は、今年は映画をわりとたくさん観ました(DVDも含めて)。それについては明日にでも。
 それから、オカリナを買って毎日吹いてます。<これはですね、「安楽椅子探偵のドラマに登場する、あの笛が欲しい」「でもどうせ買うなら、ちゃんと楽器として音が出るのがいい」というところから始まって、秋頃にソプラノC管(それが一番安かった(笑))を購入。昔ピアノを習ってたお陰で、メロディーを聞けばドミソが分かるので譜面要らず。浩子さんのディスコグラフィーの曲目眺めて、片っ端から吹いてます。ふっふっふ、トトロと呼んで(笑)。
 あとは‥、毎週一所懸命「ケロロ軍曹」を見てました(笑)。4月からはラヂオも毎週聞いてました。私のカバンの内側は、伍長のファスナーマスコットがいっぱい<とても四十過ぎのオバサンの持ち物とは思えない(笑)。

12月28日 モリタウンにSクラスの書店があるんだ、へぇ〜、昔はもっぱら立川まで行ってたけど(二階堂さんの日記に反応)。

▽ メモってなかったから忘れちゃったなあ‥、とりあえず覚えているものを列記。今年観た映画の話です(DVD含む)。
『THE 有頂天ホテル』三谷映画三作の中で一番好き。後からDVDで細かいところをチェックしようと思ってたのに、まだ封も開けてないや。お正月に観ようっと(あれ、テレビでもやるみたいですね)。
『博士の愛した数式』寺尾聰良かった!これは主演男優賞ものだろうと思ったのだが、渡辺謙(@明日の記憶)もすごかったからなあ。
『フライトプラン』ジョディー・フォスター、一人舞台(笑)。計画が偶然に頼り過ぎている点がちょっとなあ。
『陽気なギャングが地球を回す』最高のキャスティングで、めっちゃカッコいい銀行強盗シーンを見せてくれただけで、私は満足。
『明日の記憶』これは期待以上。小説の映画化作品としてもハイレベルだと思う。
『花よりもなほ』宮沢りえ、綺麗。香川照之、達者。加瀬亮を初めて知った。
『インサイド・マン』題名がナイス。
『ゲド戦記』絵は好きだよ。音楽は、浩子さんが歌ってるほうがいいや。
『ハチミツとクローバー』原作未読。学生時代片想い一色だった自分にとって、これはもう他人事ではない(笑)。
『UDON』木場勝己シブい!ブームの弊害もちゃんと描いてるところが良かった。
『ぼくんち』観月ありさは原作みたいに、もっともっとお花のように笑っててほしかった。
『ダ・ヴィンチ・コード』主人公たちが広い舗装道路をまっすぐダーッとゴールまで走ってって終わり、みたいな(笑)。結局原作はまだ読んでないなあ。
『デスノート』前後編。映画観た後原作も読了。この映画化はなかなかに巧いよ。DVDもたぶん買うな。
『夜のピクニック』終盤の原作にはないセリフがすごく好きだったりする。主演の子、雰囲気ぴったりだったなあ。
『深呼吸の必要』ひたすらさとうきびを刈ってるだけ、いかにも映画らしいゆったりしたリズム。でもこういうの嫌いじゃないな。最初の写真は‥そう来ましたか、ラストいいなあ。
『シムソンズ』『深呼吸〜』とは正反対に、作り込まれたテンポ。でもこれもいい。加藤ローサがめちゃかわいい。ところでこれ、実話を元に作られたんだよね。どのあたりが?カボチャのとこか?(笑)
『4 TEEN』月島というロケーションがいいなあ。少年たちは、演技は拙いけど初々しさがいい感じ。あれ、名刺が後で役に立つんじゃなかったっけか。
『パッチギ!』笹野高史に助演男優賞を!真木よう子の飛び蹴りにも惚れた(笑)。国と国の間の溝をも超えてゆく、愛だったり歌だったり。沢尻エリカは、可愛いだけでない存在感があって良かった。
『ブラック・ダリア』デ・パルマの過去作品へのオマージュともいえるシーンが色々。そうかベティとエリザベスは同一人物ね(そんなところでつまずくなって)。
『空中庭園』映画だけ観てたら、もっと好きになってたかも。だってこんな決めゼリフ原作にないし、これじゃ絵里子一人が悪者みたいで可哀想。小泉今日子は熱演。

▽  道尾秀介『シャドウ』(東京創元社)読了。痛くても最後まで読むべし。ちりばめられた物語の断片が、綺麗に拾い集められ閉じてゆく。上手いなあ。道尾さんの描く子どもが好き(悲惨なのが多いけど)。

12月29日 今日から年賀状書きです(なあに、一番遅い年は年明けに出したこともあったさ<いけません)。

▽ 来年1月発売予定の、本格ミステリアンソロジー文庫の題名は『論理学園事件帳』。おお、今までの題名とはちょっと趣が違いますね、助詞が入ってないぞ。
 これ、本格ミステリ作家クラブ編纂の短篇ベストセレクション『本格ミステリXX』(XXには数字が入る)の文庫化なんですが、収録作の題名の一部を組み合わせて文庫の題名を作っているんですよね。ちなみに今回の収録作は‥
「凱旋」「彼女がペイシェンスを殺すはずがない」「曇斎先生事件帳 木乃伊とウニコール」「百万のマルコ」「目撃者は誰?」「腕貫探偵」「リストカット事件」「比類のない神々しいような瞬間」「ミステリアス学園」「首切り監督」「別れてください」「論理の悪夢を視る者たち」「本格ミステリに地殻変動は起きているか?」
 2月発売のもう一冊はどんな題名になるんでしょうか。収録作がどう振り分けられるかが分からないので、予想は難しいですが‥
「瞬間目撃彼女」「本格首切り事件」「凱旋探偵マルコ」さあ皆さんも暇つぶしに(暇じゃないって)。

12月30日 PCの電源がすぐに落ちてしまいます。うう、これはヤバいのか?寿命なのか?

12月31日 瀕死のPCからどきどき更新。

▽ 今年は大掃除を早くに始めたお陰で年末はのんびり‥できるはずだったのに、あれもこれも終わっていないぞ、何故だ(笑)。とりあえず今日はおせちを作るぞ(年末の最大のイベントは、子どもの頃から「錦玉子作り」なんですよね。これをやらないと新年が来ません)。

▽ 本年も皆さまには大変お世話になりました。ありがとうございました。来年ものんびりマイペースでAyalistは続きますので、どうぞよろしくお願いいたします。綾辻先生、そしてこのサイト見てくださっている皆さま、良いお年をお迎え下さいませ。

 

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