Home
5月1日 五月が始まってしまった。この勢いで行くと、あっという間に人生も終わってしまいそう。加速度びゅー。
▽ 第23回うつのみやこども賞 表彰式&記念対談(詳しくはこちら)
受賞作:乙一『銃とチョコレート』(講談社ミステリーランド)
日 時:5月20日(日)表彰式13:30〜、著者と編集者を交えた記念対談14:00〜
場 所:宇都宮市立図書館
定 員:60名
申 込:5月1日(火)9:30から 図書館で直接、または電話で(028-636-0231)
備 考:サイン会は行わない
5月2日
▽ 日記の背景は「王国」。我ながらすごくブキミな絵になってしまった(笑)。画像をお借りしたのはこちらなんですが、きゃーこのお人形、すごく品があって可愛いな(アンティークドールは顔がコワいので守備範囲外だったのだが)。ロングフェイス・ジュモーね、メモメモ。とても買えないお値段なので、せめて見るだけでも‥どこぞのドール博物館とかで展示してないかなあ。
▽ 掲示板で話題になった「犯人もトリックも結末もわかりきったミステリを繰り返し読んで、何が面白いんだ?」について。
自分は、気に入った本は何度でも再読したいタイプの人間です。もちろんミステリでも。
先週は『幽霊人命救助隊』を読んでました(二度目)。今は『鉄鼠の檻』をちょっとお休みして『時を巡る肖像』を読んでるんだけど、正直買ったばかりの文庫『Q&A』の方を再読したくてたまりません(この二冊は厳密な意味でのミステリではないけど(笑))。
おっ、「本格ミステリの原点と未来」に関連した発言があって面白いぞ。笠井潔さんはこうおっしゃっています。
「本格やミステリに対する批判として、たとえば繰り返し読むことができないというものがあります。しかし、反復して読めることが深い読書であると誰が決めたのか。読書というのは一回きりの経験だ、全身の力を集めて心して一回だけ読むというのが正しい読書だという考え方だって、当然あり得ます。」
これの前半部分はまさしく、犯人やトリックを知ってしまうともう、そのミステリを読む楽しみはなくなるってことですよね。(この後綾辻さんに「二回読むべきだという意見もありますよ(笑)。」と云われて、「伏線を辿り直すという作業をやらないとほんとうに読んだことにはならないから再読しろという命令もある。矛盾しているわけです。本格作品を読むという行為は」と返していますが) そう云えば森博嗣さんも、一度読んだら全部覚えてるから再読はしないっておっしゃっていたなあ(SF大会で)。
結論:頭のいい人は、一度読んだら全部覚えているので、再読はしない。
‥‥いやいやいや、それだけじゃないと思うぞ(笑)。
ええと、自分が再読好きなのは、読んでもしばらく経つと忘れちゃうから‥じゃなくて(笑)。萌えの対象がストーリー以外にもあるから、だと思います。「萌え」とはまたずいぶん今風な単語が出てきましたが(笑)、でも一番ぴったり来るんだ感覚的に。
・文章萌え‥‥これ、自分の場合はポイント高。どんなにストーリーが面白くても、文章そのものにハマれないと乗れないんだよね。逆に文章が好みだと、何度も繰り返し読みたくなる。「声に出して読みたい日本語」が好きです(本の題名じゃないよ、そのままの意味で)。
・キャラ萌え‥‥自分はそうでもないんだけど、これ当てはまる人けっこう多いんじゃない? 名探偵好きもここに該当。大好きなキャラの活躍は、何度でも読みたい。
・トリック萌え‥‥伏線の確認はここに該当。北村薫さんは先の座談会で「つまらない本格は一回目も二回目もつまらないですよ(笑)。面白い本格は一回目より二回目が面白くなりますね。」とおっしゃっていました。伏線フェチの自分は、読了後すぐに二度目を読みたくなります。
これが、ストーリー萌え度の高い人だと、一度読んで知ってしまったらもうOK、となるんじゃないでしょうか。
ただ。
再読の弊害:たくさん本が読めない! あれもこれも読めないうちに一生終わっちゃったらどうしよう、と積読の山を横目でにらみつつも、つい綾辻さんの本を読み始めてしまうmihoroさんでした(笑)。
5月3日 本の感想を書くのは一ケ月ぶりかもしれない(汗)。
▽ 鳥飼否宇『樹霊』(東京創元社)。ううむ、キャラが薄いなあ‥って、なんせここ二ケ月ずーっと京極堂シリーズに浸っていたので、あれと比べちゃどんな小説のキャラも薄く見えるわな(笑)。まあこれは、個人的に読んだ時期が悪かったということで。もっと前半で「樹の霊」を感じさせてくれたら、実際の解決との落差が際立って良かったのにな。アイヌならではのある「行動」になるほどと感心。最後の動機も想像の斜め上を行くもので、ちょっとびっくり。
柄刀一『時を巡る肖像』(実業之日本社)。柄刀さんというと、空を飛ぶよな不可思議状況を力技で着地させる「トリックの人」というイメージがあったんだけど、うわあこれは新境地? その人物ならではの動機がどれも説得力あって、読みごたえがあった。「デューラーの瞳」が一番印象に残ったかな。
5月4日 名張を舞台にしたミステリ『北斗七星の迷宮』無料配布。Aさん、いつも情報ありがとうございます。
▽ 講談社ノベルス25周年イベント情報。
[全国25ケ所 サイン会&トーク会]
森博嗣さん講演会
日 時:6月2日(土)
13:30 受付開始
14:00 開演
15:30 終了予定
場 所:講談社 本館6階講堂
東京都文京区音羽2-12-21
募 集:400名
応募締切:5月15日(火)専用応募フォームより
勇嶺薫さん『赤い夢の迷宮』(5月11日発売予定)刊行記念サイン会
名古屋会場
日 時:5月26日(土)14:00〜
場 所:星野書店近鉄パッセ店
名古屋市中村区名駅1-2-2 近鉄パッセ8F 052-581-4796
備 考:要整理券(先着100名)
東京会場
日 時:5月27日(日)14:00〜
場 所:リブロ池袋本店
東京都豊島区南池袋1-28-1 西武百貨店書籍館・イルムス館 03-5949-2910
備 考:要整理券(先着100名)
[25種類「特製しおり」書店店頭プレゼント]
第一回配付 5月11日(土)より
綾辻行人さん 森博嗣さん はやみねかおるさん
25種類「特製しおり」は「講談社ノベルス25周年フェア開催店」および「全国主要書店」にて配付予定
今後、毎月講談社ノベルスと同じ発売日頃に、上記書店にて順次配付予定
[特製ブックカバー&25年全著作リスト セット、応募者全員サービス]
1)帯の裏にある申込台紙を切り取る(申込台紙は、コピーでも可)。
2)郵便番号、住所、氏名、電話番号を記入し、対象書籍の帯についている応募券をいずれか5枚、申込台紙の所定の位置に貼る。
対象書籍:2007年5月より12月まで新刊として発売された講談社ノベルス全書籍
3)郵便局にて500円の定額小為替を購入、用意した申込台紙とともに定型封筒に入れ、封筒の裏面に住所、氏名を記入の上、80円切手を貼り下記の宛先に送付。
〒169-8704 東京・新宿北郵便局私書箱2068号
講談社ノベルス25周年感謝祭・全員サービス係
応募締切:2008年1月31日(消印有効)
発 送:2008年2月下旬以降を予定
注 意:封筒一通につき、応募できるのは一口。
「申込台紙」は、対象書籍のどの帯のものでも可。
定額小為替は未記入のまま送付すること。定額小為替以外での応募は不可。
日本国内在住の方に限る。
5月5日
▽ 西原理恵子『できるかなクアトロ』(扶桑社)。どこまで行くんだサイバラ。ヒジュラとゴビ砂漠が特に良かった。こんなに地に足のついたルポはそうはお目にかかれない。
サイバラさんの取材姿勢と云えば、鴨ちゃんの「旅のつづき」第十四回〈邂逅〉に詳しい(たしかこれが絶筆)。これ、鴨ちゃんの訃報のすぐ後に読んだんで、いやもう参りましたわ。
5月6日 ぶらさがり健康器を買った<なぜ今さら(笑)。子供の頃からずーっと姿勢が悪いんで、少しは直そうと思ってさ。長生きしなくちゃ。
5月7日
▽ インターネットで選ぶ本格ミステリ大賞、締切は5月9日24:00。候補作5作を読了した方は投票しましょう!(と云ってる私は、京極作品が絶望的に間に合わず。ごめんなさい政宗さん)
候補作をここでもう一度ご紹介。ちなみに本家は、11日に公開開票式が行われる。
『顔のない敵』石持浅海(カッパノベルス)
『シャドウ』道尾秀介(東京創元社)
『邪魅の雫』京極夏彦(講談社ノベルス)
『樹霊』鳥飼否宇(東京創元社)
『時を巡る肖像』柄刀一(実業之日本社)
▽ 本格ミステリ作家クラブ、今月の本格トピックス更新。ところで今年の開票式、Ayalistの読者で当選した方はいるのかな?
▽ 石田黙展 折原一コレクション
日 時:6月25日(月)〜6月30日(土) 11:00〜19:00(土曜のみ 〜18:30)
場 所:文藝春秋別館ビル 地下画廊ザ・セラー
私は、まだまだそびえ立つ京極本の他に、今月20日までに『銃とチョコレート』を、来月までに『黙の部屋』を読まねばなりません。うおー。
5月8日
▽「幽ブックス」創刊ラインナップ発表(幻妖ブックブログ)。綾辻さんの連作短篇集は今秋以降だそうだ。乞うご期待。
▽ 遅くなりましたが、今月の綾辻さん。
07日(月) 本格ミステリ作家クラブHP「今月の本格トピックス 執行会議メンバー・今月の一言」
12日(土)「野性時代」6月号 連載『Another』
25日(金)「ナゴム・ホラー・ライフ」第5回(牧野回)
27日(日)「新本格の20年 編集者・宇山秀雄の仕事」ゲスト:綾辻行人、有栖川有栖、東雅夫
5月9日『文学賞メッタ斬り!2007年版
受賞作はありません編』特設ページ。ふっふっふ、発売が楽しみだー。
▽ 本格ミステリ大賞、候補作のうち四つは読了したわけだが、感想は「大賞に推すには、どれも小粒だなあ」。『シャドウ』と『時を巡る肖像』が一歩抜きん出てる、自分としてはそんな印象。さあ、私が「邪魅」を読み終わるのはいつの日か‥(ミステリと関係ない図書館の予約本が手元に来てしまったので、今はそちらを読書中)。
5月10日
▽ ミステリーナイト20周年特別企画プレイベント「ストーリー連動型写真展」開催(りほさん情報ありがとう(^^))。(詳細は6/20公開)
不思議な写真や偶然撮れてしまった面白写真を公募し、写真展を開催(HP上で、なのかな?)。夏に行われる入選作品展で表賞並びに賞品授与を行う。その審査員が、
綾辻行人さん(ミステリ作家)、安齋肇さん(イラストレーター・タレント)、東陽片岡さん(漫画家・オカルト写真収集家)
それぞれの審査員特別賞もあるそうだ。来月の詳細公開が楽しみ。
5月11日 第7回本格ミステリ大賞決定(情報元:掲示板および
The tunnel
in the rigid logic (仮))。
[小説部門]『シャドウ』道尾秀介
『顔のない敵』石持浅海 7票
『シャドウ』道尾秀介 17票
『邪魅の雫』京極夏彦 11票
『樹霊』鳥飼否宇 8票
『時を巡る肖像』柄刀一 7票
[評論・研究部門]『論理の蜘蛛の巣の中で』巽昌章
『刑事コロンボ完全捜査記録』町田暁雄監修 5票
『戦後創世期ミステリ日記』紀田順一郎 4票
『探偵小説と記号的人物』笠井潔 6票
『論理の蜘蛛の巣の中で』巽昌章 16票
道尾さん、巽さん、おめでとうございます。ううむ、やはり短篇集は不利なんだろか。
5月12日
▽ 津原泰水『ブラバン』(バジリコ出版)読了。いきなり30名を越す登場人物表(しかも担当楽器付き)が出てきて面喰らったが、気にすることはないよ。高校時代と25年後の現在とが何度も交錯する構成なのに、本文を読んでるだけで自然に、大勢の人物の昔と今ががくっきりと頭に描かれる。決して書き過ぎない、最低限の言葉でこれを成し遂げた津原さんの手腕たるや、いやはや畏れ入りました。一章の長さも絶妙だし、行間からたしかに音が聞こえてくる。ネイティブな広島弁も効果抜群。笑えて泣けて、ほんとにいい小説。本屋大賞の候補にならなかったのが、とても残念。
検索かけたらこの本、書店だけじゃなく吹奏楽専門ショップでも売ってた。
5月13日
▽ 2007インターネットで選ぶ本格ミステリ大賞、結果発表。毎年のことながら皆さんの選評は本当に読みごたえがある。今年は投票数が低調だったようだが、めげずにぜひ来年も続けていただきたいものだ。候補作以外の『骸の爪』『厭魅の如き憑くもの』を推す声が多かったことも並記しておこう。
▽ 上記企画に関連して。投票者数激減の考え得る理由(God
helps those who help themselves. 5/10)。「「邪魅」以外は読み終わったんだけど‥」という、自分と同じような状況の人を他にも見かけたので、シリーズ物でしかも各巻あの厚さ、というのがやはり最大のネックだったのだろうか。逆にもし「5冊読み終わったけど投票しなかった」という人がいたら、その理由を聞いてみたい。
▽ 杉江松恋さんの日記より。本格ミステリ大賞、記者会見の模様。それともう一つ、杉江さんが『邪魅の雫』を推した理由。
5月14日
▽ 本格ミステリ大賞公開開票式レポート(The
tunnel in the rigid logic (仮))。綾辻さんは『邪魅の雫』に、北村さんは『樹霊』に投票されたようです。詳しくは、全選評の載る来月発売のGIALLOを楽しみに(さあ大変だ、近所の書店はどこもこの雑誌を置いてないぞ)。
▽ 昭和初期の洋館「旧モーガン邸」ほぼ全焼。一般公開日が目前だったのに‥。
▽ 小松史生子『乱歩と名古屋』、坂木司『ワーキング・ホリデー』、サイン本販売(TRICK+TRAP)。メールにて注文受付中。
5月15日 しにがみがみがみ一回休み。
|