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 Ayalist 2007年5月の日記(後半)

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5月16日 一日休んでいる間に、トピックがいっぱい。わー。

『アヤツジ・ユキト 1996-2000』『アヤツジ・ユキト 2001-2006』来月発売予定!(情報元:掲示板)二分冊だ!

▽ 第60回日本推理作家協会賞は、桜庭一樹『赤朽葉家の伝説』に決定。短編部門は該当作なし。評論その他の部門は、小鷹信光『私のハードボイルド』と巽昌章『論理の蜘蛛の巣の中で』。

▽ そうだよ推協賞と同じ日に江戸川乱歩賞の選考があるんだった。第53回江戸川乱歩賞は、曾根狷介『沈底魚』に決定。今回の選考委員は、綾辻行人、大沢在昌、恩田陸、真保裕一、天童荒太(敬称略)。

▽ 第20回三島由紀夫賞は、佐藤友哉『1000の小説とバックベアード』に決定。ユヤタンは「文学の前途を拓く新鋭」なのか、すごいなあ。こちらに、今回の候補作と過去の受賞作一覧が。ううむ、私が知ってるのって『二百回忌』『阿修羅ガール』『ららら科學の子』『LOVE』くらいだぞ(でもすべて未読)。

▽ 第20山本周五郎賞は、森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』と、恩田陸『中庭の出来事』に決定。こちらに、今回の候補作と過去の受賞作一覧が。おお、森見さん受賞の感想がご本人のブログに

▽「野性時代」6月号、12日(土)発売。『Another』はお休み、その代わり「作家を生んだ間取り」というコーナーに、綾辻さんの大学時代住んでいた部屋が登場‥してるんだけど、直筆じゃないのがすっごく残念。

▽ 講談社ノベルス25周年特製しおりをようやくゲット。地方在住の方は、規模が大きい店よりも、全国チェーンのお店に問い合わせてみるべし。自分は、宇都宮の紀伊國屋書店で入手。森さんのは残りわずかで危なかった。あと22枚‥集められるのだろうか(遠い目)。
 ついでに、と云ってはなんだが、「講談社ノベルス 京極夏彦全作品解説書」「京極夏彦 巷説百物語シリーズ解説書」も入手。これは今後大いに参考にさせてもらおう。

▽ TIMEBOOK TOWNにて、綾辻行人「館シリーズ」配信開始(4月の記事ですみません)。新本格ミステリもいろいろと。60日で367円かあ、新古書店だったら100円で買えるけどなあ(をい)。

▽ 本格ミステリ大賞関連。まずは、今日の読売新聞、「ミステリー小説界に黄金週間」。新聞と違ってネットの記事は写真が大きいので、首だけだとちょっとコワいぞ(笑)。

本格ミステリ大賞批判!」(新・三つの棺−「幻影の書庫」日記)。候補作の選出に異義あり、と。たしかに、短篇集と長篇とを同じ土俵で戦わせるのは難しいかもしれないなあ。でもだからと云って部門を分けちゃうと、候補作を山のように読まなくちゃならないし‥。

 JDCさん経由で、「本格ミステリ大賞開票式に行ってきました!」(カエルほんのメモ)。私も昨年の興奮を思い出します。金曜の午後、というのがちょっとキツいんだよなあ。

5月17日 

▽ 某図書館のYAコーナーは不思議な空間。恩田さんや伊坂さんは軒並みこの棚に納められていて、それはまあいいんだけど。
 鴨志田穣『酔いがさめたら、うちに帰ろう』 この本がYA?アル中が更生する話を中高生に‥まあいいか。
 金原ひとみ『アッシュベイビー』「膣にナイフを突っ込んで」なんて文章を中高生に‥いやまあ読むなとは云わないけど。

▽ きっかけは人それぞれ。この方は、『本格ミステリー・ワールド』に載ってた綾辻さんのホラ話が気にいり、この著者の本を読もうと『びっくり館の殺人』を手に取ってくれたらしい。でもって、とても気に入ってくれたらしい。よかったよかった。

▽ 少し前になるが、姫川みかげさんの「SFセミナー2007 参加レポート」。デルモンテ平山ネーミングの真相にウケる。

▽ 戸松淳矩さん「推理作家協会賞の発表まで」。目線が我々に近くて、とっても親近感。

5月18日 Locked Room、再開!‥したんだけど、自分の環境だと文字化けして全く読めねえ(涙)。

▽「命奪わず勧善懲悪を 京極夏彦さん『巷説百物語』刊行」(朝日新聞)。シリーズ次作は『西巷説百物語』。まだ続くのか、そうか。

▽ 道尾秀介さんの叔父さんのHP。結婚式では小説家志望の甥にエールを送り、ホラサス受賞を喜び、彼の新刊が出るといの一番に読んで評を書く。こういう身近な応援団、道尾さん心強いだろうな。
 でももし自分の身内がブロガーで、家族ネタを写真入りで書かれたら、それはちょっと嫌かも‥そんなことも思ったり。

▽ 大森望・豊崎由美『文学賞メッタ斬り!受賞作はありません編』(PARCO出版)。普通、同じことを三年もやってると、マンネリになったりテンション下がったりしてもおかしくないのに、この二人はそうした懸念とは一切無縁。いやー相変わらず飛ばしてくれるなあ、何度爆笑したことか。まあこれだけ笑えるのは、いかに一部の選考委員がヘタレかってことの裏返しなんだけどさ。「リターンズ」でおや?と思った箇所がちゃんと直ってた点も嬉しい(ROUND6の掲載順とか)。「容疑者X論争」にまで触れられていて(笠井さんがこういうことになっていたとは!)、ツモ爺特集もあって、今回も読みごたえありまっせ。それにしても大森さん、本の読みすぎでお身体壊しませんように。
(誤植発見。ROUND6ページ上の表題が「第135回」になってる。)

5月19日 

▽ メッタ斬りに載っていたサイト「直木賞のすべて」。これすごい労作だなあ、感心しまくり。過去の選評の概要まで読めるよ。

▽ 4月に出たばかりの本なのに「在庫切れ」って、どゆことー(≧≦)。発売日のすぐ後に近所の書店で探したんだけど見つからなくて、ネット書店に注文したらこの仕打ち。先日やっとこ駅近くの書店で買えた。大矢さんの解説面白い〜、ついでに本文も(ついでかよ)再読するか、『イニシエーション・ラブ』。

▽ プラズマテレビを購入(どどーん)。価格.comより安かったぞ(展示品でキズあり、さらに閉店セールでだったので)、にやり。

5月20日 うつのみやこども賞授賞式に参加。

 掲示板にも書いた通り(渡邊さんの字が違ってました、すみません)、講談社の編集さん二名と乙一さんの鼎談形式。写真撮影はNG、講演後の質疑応答やサイン会もなしで、小説の次回作の予定を訊こうと思っていた私はちょっとがっかり。でも、大勢の前で話す乙一さんが見られるのは大変レアなこと(「Live at 『ファウスト』乙一・北山猛邦・佐藤友哉・滝本竜彦トークライブ」以来だそうで)なので、ラッキーだったかも。

 詳しいレポは後ほど書きますが、掲示板に書いたキーワードについてだけでも。

「ポーランド」‥‥『銃とチョコレート』を執筆する一、二ケ月前に、あるアニメの企画でポーランドへ取材旅行に行った。そこで写真を撮ったり、喫茶店でホットチョコレートを飲んだりしたのが、今回の作品に役立った。実はこのアニメ、乙一さんがプロット・脚本を担当する予定だったのだが、企画自体が頓挫。せっかくの取材を無駄にしないための敗戦処理というか、テレビ局にストップさせられたのが悔しくて、こちらにぶつけようと(笑)。この取材に同行した、アニメの背景を描く美術監督さんが、今回挿絵を担当した平田秀一さん。

「井上先生」‥‥小学校時代は肥満児で、運動のできない、家でゲームばかりという子供だった。本は、漫画は好きだが小説はあまり読まなかった。ところが、五年生の時の担任(これが井上先生)がヒステリックな先生で(男の先生なのだが)、クラスの読書量が少ない、もっと読めと怒られ、仕方なく「一日一冊」を目標に読み始めた。本の内容より、図書室の貸し出し数の棒グラフが伸びていくのが楽しかった。
 将来の夢について。実際はサラリーマンにでもなるんだろうな、でもそんな夢のないことを書いたら先生(これも井上先生(笑))に怒られそうなので、文集には「絵本作家」と書いた。「でもそこで絵本「作家」と書いたことが、その後の方向性を決めるきっかけになったのかも」と、太田さん。
 国語も作文も苦手だったが、一回だけ賞をもらい、励みになったことがある。朝のHRで小説(ショートショート)を書かされたことがあって(これまた井上先生(笑))、お題は「空から降ってきた」。乙一さんが書いたのは「空から黒板が落ちてきた」。空から黒板が落ちてきて、主人公はそこに落書きをしたりして楽しんでいたのだが、ふと見渡すと、周囲の人は全員死んでいた、という内容(太田さん曰く「黒乙一だ」)。これが学級新聞に掲載された。書いたものが紙面に掲載されるのは、初めての経験だった。
 作家・乙一が今日あるのは、この先生のお陰かもしれない。皆さん、井上先生に感謝しましょう。

以下は、宇都宮子どもの本連絡会会報「あゆみ」に依頼された原稿。

 五月二十日、市立図書館にて、第二十三回うつのみやこども賞授賞式が行われました。今回の受賞作は、乙一さんの『銃とチョコレート』(講談社)。ミステリーランドの本が、四年連続大賞に選ばれました。
 独特の視点から感性豊かに紡ぎ出される乙一さんの作品は、心にしみ入る切ない話あり、冷ややかなミステリあり、若い世代を中心に絶大な人気があります。この日の講演会は、昨年急逝された宇山秀雄さん(ミステリーランド企画者)の奥様が会場で見守る中、乙一さんと、編集部の渡邊綾子さん・太田克史さんとの対談という形で行われました。講演の経験がなく、訥々とゆっくり喋る乙一さん。それでも会場は終始和やか、子どもたちも真剣に聴き入っていました。
 ミステリーランドという言葉の響きから乙一さんが考えたのは、探偵・怪盗・宝の地図が出てくる、少年の冒険物語。まさかの人物に裏切られたり、逆に救われたりのどんでん返しも仕掛けられています。登場人物がチョコレートの名前なので覚えやすいですね。舞台は架空の国ですが、これは他の仕事の取材で行ったポーランドをイメージして書かれたそうです。
 小学校時代の乙一少年は肥満児で、運動と漢字の練習が大の苦手(ユニークなペンネームも、画数の少ない簡単な名前にしたかったからだとか)。クラスの読書量が少ないと先生に怒られたことがきっかけで、一日一冊本を読むようになりました。朝のHRで書いたショートショートが学級新聞に掲載されたこともあったそうです。
 外箱はチョコ菓子のパッケージを模し、背の布(クロス)、栞、綴じ糸に至るまでチョコの色に統一。そんな遊び心もある一冊『銃とチョコレート』。来年はどんな本が選ばれるのかな?楽しみにしています。

5月21日 レポ書きのためしばらくこもります。授賞式の前に『銃とチョコレート』読了。この感想も後ほど。

5月22日 レポはまだ1/4(少な!)、でも録音したんで、乙一さんのしゃべりの微妙な間(笑)まで再現するべく奮闘中。

【三島&山周賞20年・上】先鋭追求 既成文学に幅(読売新聞)。「舞城さんがライトノベル出身?デビューは講談社ノベルス『煙か土か食い物』だよ、どこをどう見てもライトノベルじゃないよなあ」「古川さんはたしかに推協賞を受賞してるけど、ミステリの枠なんてとっくに飛び出して自由に書いてる感じだよなあ」などなど、突っ込みどころもありますが。

5月23日 だからみんな、どうして予定を合わせてくれないかなあ(独り言)。一ケ月のうちに何回上京しなくちゃならないんだ私は。

▽ 第7回「本格ミステリ大賞」発表記念座談会(詳しくはこちら
 日 時:6月10日(日) 開場13:30 開演14:00
  ※座談会終了後、出演者によるサイン会あり
 会 場:東京YWCA会館 カフマンホール
  〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-8
   TEL:03-3293-5421
 出演者
  道尾秀介さん(小説部門大賞受賞者)
  巽昌章さん(評論部門大賞受賞者)
  北村薫さん(本格ミステリ作家クラブ 会長)
  綾辻行人さん
  法月綸太郎さん
 備 考:先着150名・要申込み 入場無料
 サイン会注意事項:書籍の持ち込みは1冊(出演者1名につき1冊)に限る。
          当日、会場内で出演者著作を販売(この場で購入した書籍は、サイン可)。
 問合せ:三省堂書店神田本店 1階  03-3233-3312(代)(10:00〜20:00)

5月24日 

▽ そっか、本格ミステリ大賞の記念座談会は、贈呈式の翌日なのか。しかし、出演者5人の中で大賞とってないのって綾辻さんだけだ‥、がんばれ綾辻さん。
 ちなみに明日は、第27回横溝正史ミステリ大賞の贈呈式。これも一時期、一般読者ご招待があったんだけどなあ。

5月25日 とりあえず、「乙一 うつのみやこども賞 受賞記念対談」ダイジェスト版。詳細モードは近日アップ予定。

5月26日 

▽「ミステリーズ!」の表紙はトヨクラタケルさんになるそうな。子どもがほのぼの‥と思いきや、吊るされてたりするブラックさが好き。

▽ 柴田よしきさんの日記(5/26)。横溝正史ミステリ大賞パーティーの模様などなど。

5月27日 地下室のトークショー「新本格の20年−編集者・宇山秀雄の仕事」に参加。

 終了時間が予定より延びたので、ダッシュで帰ったが、日付けの変わる前に何とか駅にたどり着いて、ほっ。駐車場までの道のりは、街灯もなく足元の砂利が全く見えない肝試し状態(どんな田舎だ(笑))。乙一さんのレポがもうじき書き終わるので、そしたらこちらも至急書きます(メモ書き頼りなんで、いささか不安)、しばしお待ちを。

5月28日 レポ書き。

5月29日 よっしゃ、乙一さんのレポは書けたぞー。乙一さんのしゃべりはほぼ、再現できた(と思う)ぞー。

5月30日「東野圭吾全文庫目録」が講談社から届いた。わーい。でも書店でも配付してるんだってね。

▽ 前から題名が気になっていて、したら「メッタ斬り」でかなり褒められていたので、がぜん読む気に。
 水森サトリ『でかい月だな』(集英社)。おお、これはけっこうツボ。主人公の心情がとても自然に描かれていて、自分の気持ちと重ね合わせながら読むことが出来た。中川くん、いい味出してるなあ。幻想的な描写がもう一息、あと眼帯少女が後半唐突すぎだと思ったけど、ミステリ者に嬉しい「おおっ」な部分もあるし、なかなか。

 乙一『銃とチョコレート』(講談社)。祝・うつのみやこども賞! けっこうダークな部分もあるけど、いい人悪い人、そんな紋切り型の分け方が通用しないところが深いなあ。平仮名が多いせいか、初読の時は中盤間延びした印象を持ったけど、再読したらそうでもなかった、むしろより感動した。登場人物がチョコの名だと、カタカナでもすぐ頭に入って便利(笑)。

▽ 読書感想ページをブログ化しようかな。綾辻さんの予定を書いてるはてなダイアリーと、一緒くたになってるので‥‥って、いつになることやら(その前に、あれとかあれとかあれとか‥)。

5月31日「ポンツーン」6月号、朱川さんのエッセイに爆笑。そこで『死霊の盆踊り』かよ!(笑)

▽ 講談社ノベルスHPにも「うつのみやこども賞」の記事が。書かれたのは渡邊さんかな。宇山さんのトークショーにもいらしてましたね。

 

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