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 Ayalist 2008年6月の日記(前半) 

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6月1日 もう6月ですぜ。衣更えだ〜。

今月は、8日に本格ミステリ大賞受賞記念座談会が(すでに満員御礼で受付締め切り)、21日に花園大学でミステリ・ジョッキーが開催されるので、大忙しの月になります。楽しみです(^^)。

日記の背景は「Elfin」です。

6月2日 

今年一年は「新聞おばさん」なので何かと忙しいmihoroです。 PTA新聞を作る係を、高校と小学校、両方同時にやるハメになってしまって、あたふたあた。あ、「アフタースクール」ネタバレ感想をちょこっと書き足しました。

6月3日 

COCO『今日の早川さん2』(早川書房) 読了。フネちゃん、あんたええ娘や〜(じいん)。余白が減って漫画が増えたのは嬉しいけど、その分作者のコメントが減って、オタク度は下がった気が。
 

6月4日 

HMC今月の本格トピックス、公開開票式のレポートが掲載されています。おお、ALPHAさんや みっつさんのお名前が。
ところで、開票式および記者会見の模様がミステリチャンネルにて放送されているそうです。詳しくはこちらに
放送日時  5/29(木)26:55  6/6(金)11:55  6/12(木)26:55  6/20(金)11:55  6/26(木)26:55

みっつさんによる、山口雅也さんサイン会レポ。山口さんカッコいいなあ〜。「問題点はみっつあって」にウケました。

6月5日 

『本格ミステリ08』収録作が分かりました。今年の編纂委員は我孫子武丸さん、円堂都志昭さん、杉江松恋さん。
小説
「はだしの親父」黒田研二
「ギリシャ羊の秘密」法月綸太郎
「殺人現場では靴をお脱ぎください」東川篤郎
「ウォール・ウィスパー」柄刀 一
「霧の巨塔」霞 流一
「奇偶論」北森 鴻
「身内に不幸がありまして」米澤穂信
「四枚のカード」乾くるみ
「見えないダイイングメッセージ」北山猛邦
評論
「自生する知と自壊する謎――森博嗣論」渡邊大輔
解説
「本格ミステリ08解説」円堂都司昭

6月6日 どたどたどた。

6月7日 ばたばたばた。

「ミステリーズ!」vol.29に、綾辻さんのエッセイ「私がデビューしたころ 宝物のようなもの」が掲載されています。わあい。

それでは明日、講談社に行ってきます。サイン会の後は、池袋のジュンク堂に行く予定です。

6月8日 詳細なレポは次の「メフィスト」に載る予定だったような。とりあえず本日の座談会の模様をメモを頼りにご紹介。

座談会メモ その1
本の販売の列がなかなか途切れず、定刻を過ぎてもトークショー始まらず。北村薫さんがひとりでマイクを持って場をつなぐ(他の出席者はまだ入場せず)。そもそも北村さんは、始まる前から賞品の色紙(昨日の授賞式で出席者50人くらいにサインしてもらったもの)五枚を手にして「本を買われた方にはこれが当たる抽選券を差し上げます」と自ら営業。受賞者の本をテーブルにセッティングしたのも北村さん。会長にこんなに働かせていいんでしょうか他の人!(笑)

【北村】小森さんは乱歩賞に最年少で候補に残られた方。有栖川さんも15歳で小説を書いたと云っていた。私はその年の頃は全然、せいぜい書いても1、2枚だった。/本格ミステリ大賞のトロフィーはなかなか重く、昨年の受賞者道尾秀介さんは家に宅配で送り、わくわく荷物を開けたらなんと、トロフィーのクイーンのカード部分の付け根が折れていたそうで(笑、業者が後で直したそうです)、気をつけてくださいと昨日の授賞式で有栖川さんに云い、笑いを取っていた。/会場で今日の賞品の色紙を皆さんに書いてもらったが、もしここに誰かが「江戸川乱歩」とでも書いたら、とたんに全部のサインがウソのように見えてしまうだろう(笑)。木の葉を隠すなら森にと云うが、この場合は木の葉一枚がニセだと森全体もウソっぽく見えてしまうという、なにやらミステリに通じるような。
今日の流れ(トークショー→サイン会・抽選)を説明する北村さん。15分押しでいよいよ始まる。綾辻さん、有栖川さん、小森さん、乾さん入場。

【有栖川】(受賞の言葉)デビュー以来書き続けているシリーズ。前作から15年7ヶ月も間が空いてしまって、でも本人は書くと決めていて、10年前から構想もあったが、諸般の事情で遅れに遅れ、デビュー20周年を迎える前にはなんとかケリをつけようと。一昨年の11月に書き始め、途中一ヶ月ほど書けない時期があったものの、昨年6月には脱稿。納得のいく、思ったとおりの内容に仕上がって、達成感があった。別に他から評価されなくても、自分が評価してるからいいや、という気持ち。今までは受賞者の横で拍手する役で、でもそれが思いがけず本格ミステリ大賞をもらえて、光栄だ。嬉しい。ただこれで終わったわけではなく、これからももっと頑張るし、あんなの(「女王国」)大したことなかったよねーと云われるような作品を書いていきたい。
【綾辻】有栖川さんとはこの10年ほど、テレビの仕事を一緒にしている関係もあって、しょっちゅう電話したりお互いの家を行き来したりという仲なので、『女王国の城』が書かれていた頃のことも良く知っている。一昨年の11月に「書き始めるぞ!」と云って以来、ちょくちょく「今日は何枚書いた」とか電話してきて(笑)、すごく楽しそうで。「綾辻さん、暗黒館書いてるとき楽しかったでしょう。あれだけ好き放題書いた長編で、ちょっとうらやましかったんだよね」いや、僕は楽しくなかったって云っても「そんなことあるわけない」(笑)。さすがに書き終えたときは精根尽き果てたって感じだったけど、自分の本格のスタンスが揺るがないのはカッコいい。『女王国の城』に自分も一票投じたのだが、感動的だったのは、マリアとアリスと江神がいい出会い方をして、江神が「犯人が分かった」と宣言するシーン。探偵が、困難な謎を理知によって乗り越えるそのシーンは、ああこういうの読むの久しぶりだなあと感動した。読みどころは他にもたくさんあると思うが、心からおめでとうと云いたい。
【北村】『ミステリ十二か月』で有栖川さんと対談をしたときに、幼い頃好きだった作品を挙げてもらって、今回のトリックにつながる部分があるので題名は伏せるが、小さい頃胸に抱いた本格の種を、ずーっと育て続けて、こうやって花開いた、そのことに感銘を受けた。

【小森】(受賞の言葉)賞と名のつくものを初めてもらい、よいものだなあと。「創元推理」で連載していた「英文学の地下水脈」が五回で終わってしまい、この後クイーンについて書こうと思っていたのが宙に浮いてしまった。そうこうしているうちに法月さんがクイーン論を書かれて、自分のやろうとしていたことの先回りをされ封じられてしまった(笑)。でもまた評論シーンで今やらねばならないことがいくつか浮上し、評論に軸足を置いているつもりはないのだが、使命感に駆られてこの本を書いた。(この後本の内容についての紹介) 九割はす〜っと書けたが、一割は難渋した。(続きは明日の日記で)

6月9日 読みにくくてスミマセン、とりあえずメモったことをだらだら続けます。完全版は後ほど、ね。

座談会メモ その2(その1は昨日の日記で)
【乾】(『探偵小説の論理学』に投票した人代表で今日は出席?)評論部門は大接戦で、『探偵小説〜』が10票、あとの二作品が9票。つまり大賞を決めたのは僕の一票だったと(笑)、投票した10人みんなが思っているのではないかと。推薦したい箇所がたくさんあって、ちょっと難しい部分を「こう考えたら簡単だよ」と説明したくなるのだが、それをやると二時間ぐらいかかりそうなので、ポイントだけ。/本格ミステリは、売りがロジックだったり密室トリックだったり叙述トリック(これを含めることに疑問を感じる人もいるとは思うが)だったり、いろんなタイプがあるが、共通しているのは「真相が明らかになったとき読者を納得させること」。論理がしっかりしていれば、意外な真相に「やられた!」と思うだろうし、そうでもないと「そうとも考えられるけど‥ズルイな」という気持ちに。物語の動きやものの考え方が読者の意識・常識に沿っていると納得させやすいが、国が違ったり(翻訳もの)書かれた年代が違ったり(古典)すると常識も変わってくる。さらには、同じ場所(国)で同じ時代に書かれたものでも、20代の作者が書いたものは若い世代には通じても我々40〜50代にはピンと来ないことがあって、でもこれはとても重要なことなのではないかと。作家はもともと「自分が面白いと思うものを書きたい」個人主義的なところがある。それは本格ミステリというジャンルに対してもそうで、本格の流れに沿ったものを書いていきたいと皆思っていると思う、それがジャンル作家というものだろう。若い人、若い読者にもこれを継承してもらいたいが、今の若い世代の流れが今後主流になっていってしまうのか、そういった今もっともホットな部分を『探偵小説〜』は取り上げていて、とても意義深い。(とても楽しそうに熱く語る乾さん)
【綾辻】こんなに熱く語る乾さんを初めて見た(笑)。執行会議で何度も顔を合わせているけど、いつもはシャイで寡黙な方なのに。びっくりした。
【小森】読みどころを熱く語っていただいて嬉しい。この本の二章ではクイーンを、三章では西尾維新や『ひぐらしのなく頃に』を取り上げていて、黄金期の王道と「キミとボク」の作品が隣り合っているのをちぐはぐに思われるかもしれないが、クイーンの論理を考えつつ新符丁の論理も考えていく必然性を感じたのでこうなった。一章は、論理記号などを説明なしに使ってしまっているので、ちょっと不親切だったかも(でもそれを説明しているとページが膨大になってしまうので)。

【北村】有栖川さんとはしょっちゅういろんな話をしているので、今日はこの場ではたしてどんな目新しいことを訊こうかと考えたが、最新刊が講談社のエッセイ集なので、そのことについてお話していただこうと。
【有栖川】エッセイ集、講談社からは四冊、実は来月も紀行エッセイが他社から出る。エッセイは、自分には書けると思っていなかったのだが、書いてみたら、やたらラク(笑)。全然苦にならない。トリック考えなくていいし、気分変わるし、読んだ方の評価がどうかは分からないが。エッセイの注文が来ると、「こいつは書けそう、と思ってもらえたかな」「この前書いたのを良かったと思ってもらえたかな」と思えて嬉しい。エッセイはこちらから売り込みにいくわけでなし(笑)、注文に答えて書くのが、プロみたい(笑、とっくにプロですってば)。エッセイストと名乗るほどのあつかましさはないが。「この間新聞に載ってたの、面白かったです。小説はまだ読んだことないですけど」と云われても、悪い気はしない。それをきっかけに小説も読んでもらえれば、もっと嬉しいが。注文があったら、まず断らない。
【綾辻】(嬉しそうに語る有栖川さんを指して)憎たらしいでしょ(笑)。僕は十注文があったら七は断るのに。僕がエッセイを全部並べてクロニクルにすることができたのは量が少ないからで、有栖川さんみたいに多いととてもムリ。
【有栖川】綾辻さんのエッセイ集は手が込んでて資料性が高い。自分のはもっとルーズなのでライトに楽しんでいただければと。綾辻さんのは年代順になっていて、「あの頃自分はこんなことがあったなあ」と思い出すのに役立っている。
【綾辻】小野さんも同じことを云っていた。それにしても(有栖川さんに)お互い、仲いいフリも飽きたよね(笑)、今度はケンカしたフリでも‥やっぱりできないね(笑)。
【北村】思い出深いエッセイは?
【有栖川】恥ずかしくて云えない(笑)。自分のエッセイは読み出すと止められない、興味のあることばっかり書いてあるから(笑)。掲載誌は一応取ってあって、新聞も切り抜いたりしてあるが、それでも抜けてたりして、でも「抜けてたわー」と笑ってごまかす。綾辻さんはすごく几帳面。
【綾辻】僕は几帳面すぎて、抜けてたりすると三日は落ち込み(笑)、効率が悪い。今日は何でこんなネガティブな役回りなんだろう(笑)。
【有栖川】綾辻さんは安楽椅子探偵のノートもきちんとしていて、「これは前回話したね」とか、ノートをめくるとすぐ分かる。自分は毎回持ってくノートが違うので役に立たない(笑)。
【北村】私も、資料の整理は苦手で、すぐどっかにいってしまう。取材も一応メモは取るんだけど、メモがなくなってしまうので(笑)、記憶を頼りに書いたりしている。
【有栖川】北村さんは大雑把。会長なのに「あれ、今度の会議はいつでしたっけ」って訊いてくるんですもん(笑)。

【小森】(北村さんに『ローウェル城の密室』を応募した高校生の頃のことを訊かれて)書いたのは16歳、高1のとき。学校の売店で「原稿用紙400枚ください」と云ったら「小説でも書くの!?」とびっくりされて、「はい」と(笑)。書けたから出しちゃおうぐらいの気持ちで、(でも最年少で最終候補に残ったということで)家に新聞記者が来て親は困っていた。賞を取る自信も何も、候補に残ったというだけで「たいしたもんちゃうの、オレ」という気持ちだった(笑)。
【綾辻】高沢則子名義で書かれた『ローウェル城の密室』。僕はあの頃大学生で遊びほうけていた時期で、高校生が乱歩賞の候補になっている、将来作家になりたいという気持ちはすでにあったから、これは自分もうかうかしていられないなと思って取り掛かったのが『十角館の殺人』だったりする。間接的にだが影響を受けお世話になったと。
【北村】『ローウェル〜』はたいそう破天荒なトリックで、でもそこに次元の問題なども絡んできていて。本にするときに手を入れたそうだが、どのあたりを?
【小森】次元に関する部分は最初からあった。中学生の頃から、ディメンジョン(次元)のこととか興味があって。(北村さんびっくり。会場もびっくり)
【北村】「群像」という雑誌で、北村・小森・法月・奥泉の四人で座談会をしたことがある。そのとき奥泉さんが小森さんの『大相撲殺人事件』がいかに傑作かを、目をキラキラさせて語っていらして。
【綾辻】自分も奥泉さんにその話を聞かされて、ただちに読んだ(笑)。
【北村】(このあと北村さんご自身が『大相撲殺人事件』のさわりを実に楽しそうに話し始める。トークショー後、件の本が飛ぶように売れたのは云うまでもない(笑))「千代楽部屋(ちよらくべや)」という相撲部屋の看板を見たひとりの外人、たまたま通りかかった人に「コレ、ナンテカイテアリマスカ?」「ええと‥せんだいがくべや、かな」「オー、ダイガク!」実は彼、日本文化の研究に来たアメリカ人で、ダイガク=大学と勘違いし、結局この部屋に入門してしまう(笑)。ところが彼、めちゃめちゃ強くて、あっという間に幕内まで登りつめる(笑)。対戦相手が毎日殺され、毎日が不戦勝(笑)、当然彼が疑われることになり。その他にも(本のあらすじ紹介を読み上げる北村さん。
ここに同じ文章があるので参照してね。)
ところで探偵役がアメリカ人なのは物語の必然だと思っていたら、著者のことばに「アメリカ人が探偵役なのは若干不本意」とあって驚いたが。
【小森】あれはたしか、ちょうどイラク戦争の頃で、ああいう戦争をやる国はいかがなものかと、そういう思いから書いたこと。
【綾辻】『中相撲殺人事件』『小相撲(しょうずもう)殺人事件』という構想もあるらしい(笑)。
【小森】中学校の相撲部、小学校の相撲部を舞台にした話なんだけど、大・中・小と次第にスケールダウンしてしまうので、どうしたものかと(笑)。

五人の今後の予定
【綾辻】最新刊は『深泥丘奇談』。「幽」の連載短篇は明後日締め切りでまだ書いているところ(ということは今月発売の号に載るのかな)。有栖川さんはとっくに書きあがってて、「怪談は楽やねー。トリック考えなくていいし」などと云っている(笑)。二人の対談をまとめた『ミステリ・ジョッキー』は七月下旬には出る予定。今日もネタバレに配慮した発言がいくつかあったが、隔靴掻痒の感があるのがお分かりいただけたと思う。それなら「それではここで一本読んでいただきましょう」と短篇を読んでもらい、それについて語り尽くすという企画はどうだろうと。発案者は有栖川さん。ドラマの原作を作るときは、ほんとにがっぷり四つに組んで、それこそ一晩叩き合うといった感じで、でもそうやって話し合ってきたミステリの話をそのまま流すのはもったいない、ロング対談という形でまとめたいねとなった。話しているうちに、実は自分たちも良く分かっていない部分があることが分かり、いろいろ探っていきましょうと。自分の考えが絶対尺度でないことは良く分かっているし、本格に対するイメージは人それぞれ、いろいろある。死ぬまで探り続けていくんだろうなと思う。『Another』はようやく佳境に差し掛かった。年内には何とかまとまり、久しぶりの長篇をお届けできるかと。
【有栖川】本がいっぱい出る。4、5月と出て、6月は残念ながら予定が延びてしまったが、7月は二冊。ひとつは『ミステリ・ジョッキー』、もうひとつは山と渓谷社から出る『旅と鉄道とミステリー』。半分は書き下ろし。「この鉄ミスがすごい!BEST50」をやっている(笑)。8月は河内厚郎さんとの対談集『大阪探偵団』と、「GIALLO」に掲載された中篇ふたつを合わせた長篇。9月は文藝春秋から火村シリーズの短篇集。10月は安楽椅子探偵第七弾。7日に問題篇、14日に解決篇(実はkujiraさんから、「以前のイベントでは10月3日とおっしゃっていた」という情報も。たしかに火曜放送だと、解答締め切りまでに土日が入らないという、参加者にとっては非常にタイトなスケジュールになるかもしれず。とりあえず綾辻さんから訂正も入らなかったし、まあそのうちABCの公式ページができるでしょう。関東エリアはもしかしたら前回同様、地上波放映はないかも)。11月は何が出るかはシークレット。12月は理論社の「ミステリーYA!」と、中央公論社の書き下ろし長篇(これは延びるかもしれない)。
【北村】月刊・有栖川有栖!
【有栖川】どんなもんだい!(笑)。でもたまたま刊行時期が重なっただけで、こんなことはもう二度とないだろう。
【北村】ところで過去の安楽椅子探偵で、読者の解答のほうが作者の考えたものより良かったことはあるか。
【有栖川】ない!(笑)というかそれはありえないでしょう。作ったお話の中でアラや弱点はあるかもしれないが、そこを除いてもガラクタしか残らない。もっと美しい解答というのは見たことはない。
【綾辻】幸いにしてというか、エレガントな解答を超えるものはない。というか、一番面白いところに真相を設定しているから、アラを探してこっちのほうがと云われても、でもそれだとつまらないでしょうと。次回は簡単、かな。放映に合わせて前回のDVDも発売予定。
【小森】今月、南雲堂から『星野君江の事件簿』が刊行。「チベットの密室」という、14歳のときに書いた幻影城新人賞の応募作があり、「次はこういう事件が」と予告したものをなんと30年ぶりに書いた。有栖川さんの15年ぶりどころではない(笑)。あと、評論集が東京創元社から出る予定。
【乾】最新刊は『クラリネット症候群』。『イニシエーション・ラブ』『リピート』と年二冊出したことがもう四年前になってしまった。今年はまたオリンピックイヤーだし、二冊目が出せればいいなと。あと、「GIALLO」に掲載されていた「ニアミステリな関係」、これは小森さんも書かれているが、原書房から出る予定。
【北村】ベッキーさんシリーズの八番目の短篇「獅子と地下鉄」を書いた(「オール讀物」6月号掲載)。あと一篇書くと3×3(一冊に三篇、それが三冊)でこのシリーズは終了。ミステリーランド『野球の国のアリス』が八月に出る予定。
(とりあえずここまで。あとは写真とサイン会の模様を後でアップします)

6月10日 本格ミステリ大賞受賞記念座談会、アバウトなレポは8、9日の日記をどうぞ。

座談会の写真です。
 講談社入り口の柱に貼られたポスター
 受賞の言葉を述べられる有栖川有栖さん。席の後ろの人にも見えるようにと、発言するときは皆、いちいち立ってくださった。
 綾辻さん。スニーカーは赤、髪は黒。メガネのフレームは赤。
 小森健太朗さん。 乾くるみさん。 北村薫さん
 会場にいらしていた道尾秀介さん、柄刀一さん。他にも黒田研二さん、二階堂黎人さん、歌野晶午さんらが。
 (くろけんさんはたまたま別件で講談社を訪れただけで、会場には来ていなかったんだって。早トチリ、すみません)
 やっぱ仲がイイよね、この二人

6月11日 

座談会こぼれ話。
・『迷路館の殺人』新装改訂版は来年出るそうです。(ところで「しんそうかいていばん」を変換すると「真相改訂版」が最初に出たぞ。これはこれで読んでみたいような(笑)) エッセイ集の脚注にあった「大迷路館の殺人」級の大幅な改訂になるかどうかは訊き損ねてしまったので、次の機会に訊いてきます。
・『女王国の城』に出てくるSRX400は、綾辻さんのアドバイスだったそうです。「有栖川さん、バイクのことはあんまり知らないから、「こういう場面なんだけど、どんなバイクがいいかなあ」って訊かれて、「じゃあこれがいいんじゃない」って」。そっかー、そうだったのかー(^^)。
・『女王国の城』最新版の帯には、綾辻さんと北村さんの推薦文が(投票のときの選評の一部)。帯といえば、『最後の記憶』単行本にも帯違いがあることをこの日初めて知りました(Oさん、本を二冊もいただいてしまってスミマセン、ありがとうございました)。こちらは有栖川さんと風間賢二さんの推薦文が載ってます。

・この日の開場は13:30だったんだけど、13:00前に着いてしまって、そしたら外でポスターや案内表示を貼っていた社員の方が中に入れてくれました。おっ、すでに阪神のTシャツを着たkujiraさんがいらっしゃる、早いな〜(お互いさま)。ところで講談社の社屋、旧館(綾辻さんと辻村深月さんの対談をやった場所)は立派な石造りの建物でしたが、今回の会場は新館のほう。一階ロビーは植物が生い茂って、ホテルのようでした。田舎物の私は、目が点。
・この日のサイン会は、本の持ち込みは不可だったけど、会場で買った本なら何冊でもサイン可だったのね。といっても、イベントでよくお目にかかるあの方やこの方は、「どれも持ってるんだよねえ‥」と云いつつやっぱり買っていらっしゃいました。何冊も抱えて列に並んでるアリスファン、いっぱい。
・サインをしている最中に「『イニシエーション・ラブ』も『リピート』も読みました、面白かったです」と云ったら動揺し、「乾くみ」と書いてしまった乾くるみさん(笑、なんとかごまかして「くるみ」にしてました)
・講談社のある音羽界隈は、有名な洋館がいくつかあります。こんなところこんなところも見てきました(またあとで詳しく書くね)。しっかし、やたら坂が多くておばさんはヘトヘト。
・池袋ジュンク堂の「犯行現場の作り方!? 一級建築士・安井俊夫が再現する名作ミステリーの建物」も見てきました(これもあとで詳しく書きます。ちなみに会期は15日まで)。最初、二階にいた店員さんに場所を聞いたら、「?」という顔。そこにやってきた別の店員さんも「あれはもう終わっちゃったんじゃないかしら」。えーそんなー(でも七階でちゃんとやってました、良かった良かった)。十角館だよー。よしさん、えんじさん、楽しかったです、ありがとうございました。

・帰宅してすぐに秋葉原の事件を知りました。アキバ、よくダンナが行くんですよ。この日は私が出かけたので彼は留守番だったんだけど、もし私が行かなかったら彼が‥と思うともう、血が凍りました。人を殺す話はミステリの中だけにしてくれ〜。

6月12日 本格ミステリ大賞授賞式の模様。

「水車館の新装版で喜国さんに描いてもらった表紙絵、すごく気に入ってるんだ」(喜国&国樹さん)
仲間うちでやってるアットホームな雰囲気がいいですね。(太田忠司さん)
それぞれボケをかまし気味のなごみ系スピーチで、すんごく面白かったー。(柴田よしきさん)
今までいろいろお世話になっている方の受賞なので、なにを差し置いても行かねば!(近藤史恵さん)
来る人、来る人、オタクな話題を振りまいて、去っていく。(大倉崇裕さん)

二階堂黎人さんの恒星日誌には、授賞式&座談会の写真がたくさん。

6月13日 「13金」の表紙は久々だなあ。PC替えてからは初めてかも。

「野性時代」7月号は昨日発売。『Another』連載第21回です。米澤穂信さんの特集は「中村青之助・青太郎」に大笑い。米澤さん×恩田さんの対談は、二人の読書量のすごさがよく分かりました。P59、『時計館の殺人』はハルキ文庫じゃなくて講談社文庫ですから角川の人!

6月16日(月)17:00、TSUTAYA宇都宮インターパーク店で三崎亜記さんのサイン会が行われるそうです。ネットで検索しても情報引っかかってこないし、平日のこの時間じゃ地元の人しか来ないよなあ。この方の短篇は気になっていたけど未読なので、これを機に読んでみようかな。

え、「GIALLO」は今日発売なの? この辺の本屋には入ってきてないだろうけど、ちょっと探してみるか。本格ミステリ大賞の選評が載っている号なんですよね。倉知さんも気になるし(笑)>りほさん。

6月14日 つくづく地震は怖いです。皆さんのところは大丈夫?お見舞い申し上げます。

わ、早いなあ、皆川博子さん講演会レポ(珈琲舎 書肆アラビク)。

「GIALLO」2008年夏号は「本格ミステリ大賞受賞作家特集」。あれ、乙一さんだけ抜けてるじゃん。むっ。
さて今回は、本格ミステリ大賞全選評掲載号でもあります。読んだ感想をつらつらと。

・「繰り返し何度でも、本格ミステリを書いてデビューしたい(有栖川さん受賞の言葉)」うう、カッコええなあ。ところで今回は開票式の写真はないの?
・綾辻さんの選評は毎回、推薦作についてしか書かれてないのよね。他の四作についても一言書いてほしいけど‥、あえてマイナスなことは書かないという配慮なんだろうか。
・『密室キングダム』に投票した方々、なぜかあんまりホメてないような気がするのは私だけ?(笑) 「小説として出来の悪い子ほど本格として可愛がるしかない(乾くるみさん)」「評価したくなるのは、思いの熱の強さと長さだ。好みではないが(斉藤肇さん)」「いちばんマイナス点の高かった本作に一票を投じよう(西澤保彦さん)」「物語としてのバランスを放棄したかのようなその狂気(伯方雪日さん)」
・「『女王国の城』は、謎解きにあと百枚欲しかった(石持浅海さん)」えー、それはいくらなんでも長すぎでは(笑)。
・「自作への投票も考えていた(歌野晶午さん)」歌野さんが云うと説得力があるから不思議だ。お人柄?
・「有栖川本格の真髄は、徹底した消去法(太田忠司さん)」ああ、私も全く同意見。余計な音が一つ一つ消えていって、一人の犯人が特定される段になると「しーん‥」と無音の状態になる、そんな感じ。それはとても美しい情景なんだけど、私は「どんがらがっしゃーん!」と騒々しいのも好きだったりするわけで(笑)。
・「この新しい古典に喜びと羨望をこめて(倉阪鬼一郎さん)」自作と同タイプのものに対して点数が厳しくなる人もいるけど、倉阪さんは違うんだ、ほお。
・「好みだけで選べば、『密室殺人ゲーム王手飛車取り』(近藤史恵さん)」へえ、そうなんだあ、ちょっと意外。
・氷川透さんって、最近どうしているのかな。昔はHPもちょくちょく更新されていたんだけど。
・「四作のうちいずれが受賞しても満足で(矢口敦子さん)」残りの一作はどれなのか、ちょっと気になる(笑)。

6月15日 花園大学の講演会まで一週間を切りました。行かれる方々、課題図書は読みましたか?(私はただいま読書中)

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